個別レポート

【ベトナム】第8次国家電力開発基本計画改正の影響と直接電力購入契約制度の進展

2026-06-19
  • 東南・南・中央アジア
  • 電気事業体制

 ベトナム政府は、2026年~2030年の年平均GDP成長率10%という高成長目標を背景に、電力需給見通しを大幅に引き上げ、昨年第8次国家電力開発計画(PDP8)の改正を行っている。このPDP8改正では、再エネ導入目標量の1.9~3.2倍もの大幅な引き上げや原子力発電所の導入を明示することによって、低炭素エネルギー利用促進への野心的な計画が示された。また、同国政府はこのPDP8改正版における再エネ開発を後押しすべく直接電力購買契約(DPPA:Direct Power Purchase Agreement)制度の改正を進めている。
 同国のDPPA制度は、ベトナム電力公社(EVN)を介さずに、直接、再エネ事業者と需要家が電力取引出来るようにすることによって、民間再エネ投資を促進することを目的として、2024年7月施行の政令80/2024/ND-CP(政令80号)により初めて明文化され、フィジカル型DPPA(専用送電線モデル)と、ベトナム電力公社(EVN)の系統接続のバーチャル型DPPA(市場連動の系統接続型モデル)の二つの制度が整備された。
 その後、電力需要の急激な高まりや市場の要望により、直近では本年3月に価格設定などの参入要件が緩和されたことで、今後同国におけるDPPAの導入は加速することが見込まれる。本稿では、PDP8改正の影響とDPPA制度の動向について概説する。