ホーム > 世界の電気事業の動き > 2021 年度

最新情報 - 2021 年度

海外電力調査会が収集した世界各地の電気事業情報を、エリア別、項目別にフィルタリングできます。各年度毎の表示となります。

エリアを選択:
項目を選択:

2021年度

2021.08.17
英国:政府、水素戦略を発表
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は2021年8月17日、水素戦略(Hydrogen Strategy)を発表した。英国は2020年11月発表の「10ポイント計画」において2030年までに500万kWの水素製造能力を確保する目標を立てている。今回発表の水素戦略では、2030年までの水素経済ビジョンとして、市場からの40億ポンド(約6 ,000億円)規模の投資や9,000人分の雇用創出などの見通しを立てている。そして、これに向けた水素開発の支援手段として、洋上風力開発促進で中心的な役割を果たした差額決済型固定価格買取制度(FIT-CfD)を採用することを政府案として提示している。FIT-CfDを通じて相対的に水素を優遇することで、水素活用を促しながら投資を呼び込み、開発を加速させることとなるが、具体的な枠組みの検討については別途意見公募を開始している。このほか、政府はグリーン水素(再エネ電力による水素生成)とブルー水素(天然ガスとCCSによる水素生成)の両方を推進することも発表しているが、詳細については2022年に発表を先送りした。また、水素製造時のGHG排出量把握に向け水素製造業界と協力を図ることや、水素の貯蔵や流通設備の開発に向けたレビューの実施、既存のガス供給網への水素の20%混入についての安全性・実現可能性の分析、商業用水素製造設備の導入促進に向けたファンド「Net Zero Hydrogen Fund」(資金規模2億4,000万ポンド、約360億円)の設計検討なども盛り込まれた。
2021.08.15
インド:首相、2047年までに「エネルギーの自立」を目指すと発表
2021年8月15日付の報道によると、インドのモディ首相は同日、独立記念日の記念演説を行い、独立100周年の2047年までに「エネルギーの自立」を実現するという目標を新たに示した。インドは毎年エネルギー資源の輸入に12兆ルピー(約18兆円)費やしており、輸入資源依存からの脱却を目指す。このほか、エネルギー政策関連では、同国の水素エネルギー政策となる「国家水素計画(National Hydrogen Mission)」の策定を正式に発表し、インドをグリーン水素の生産と輸出のグローバルハブとすること、2030年までに鉄道の電化100%を達成し、鉄道のCO2排出ネット・ゼロを目指すこと、2030年までに再生可能エネルギー発電設備容量を4億5,000万kWとすること等の方針が示された。
2021.08.10
中国:政府、再エネ発電事業者によるエネルギー貯蔵設備設置を奨励へ
国家発展改革委員会と国家能源局は2021年8月10日、再エネ発電事業者によるピーク調整能力増強に関する通知(通達)(1138号)を発表し、近年急増している再エネ発電からの発電電力を有効に活用するために、再エネ発電事業者に対しエネルギー貯蔵設備(揚水、蓄電池、その他新エネ貯蔵を含む)の設置を求める方針が示された。同時に電力市場関係部門には、ピーク調整力の確保に向けた市場設計を求めた。
2021.08.10
米国:連邦議会上院、1兆ドル規模の超党派インフラ投資法案を可決
連邦議会上院は2021年8月10日、超党派のインフラ投資法案(H.R.3684:INVEST in America Act)を賛成多数(賛成69、反対30)で可決した。同法案では、既に予算配分済みの支出に加えて、5年間で約5,500億ドルの新規支出を含む計1兆ドル規模(約110兆円)のインフラ投資が計画されている。これに新規支出分として、(1)道路・橋梁:1,100億ドル、(2)旅客・貨物鉄道:660億ドル、(3)電力系統・電力インフラ:650億ドル、(4)高速通信網:650億ドル、(5)水道:550億ドル、(6)公共交通整備:392億ドル、(7)環境修復プロジェクト:210億ドル、(8)港湾・水路:166億ドル、(9)EV充電設備:75億ドルなどが加わる。電力関連では、送電網整備支援、電力系統の信頼度・回復力の構築、クリーンエネルギー技術のための重要鉱物サプライチェーンの確保、クリーンエネルギー技術として、炭素回収・貯蔵(CCS)、直接空気回収(DAC)、水素、原子力(小型モジュール炉や新型炉など)などに資金を投じる。今後、同法案は下院で審議が行われる。
2021.08.09
チェコ:チェコ大手EPH、2030年までに発電所での石炭使用を停止へ
チェコに拠点を置く大手電力事業者EPHは2021年8月9日、2030年までに欧州各国内に保有する電力および熱併給プラントで、石炭の使用を停止することを発表した。ただし、法律で規定された石炭の段階的廃止スケジュール(2038年)を実施するドイツは対象外としている。EPHは既に英国Eggborough石炭火力発電所(設備容量:200万kW)を閉鎖し、Lynemouth石炭火力ではバイオマス燃料への転換を完了した。2021年中にはドイツのDeubenを閉鎖し、2021年から2022年にかけてフランスのEmile HuchetとProvence石炭火力を閉鎖する予定である。2023年には石炭と石油を燃料とする北アイルランドKilroot発電所を閉鎖し、発電所跡地は「Kilroot Energy Park」として太陽光発電、水素燃料、天然ガスによるバックアップ、バッテリー貯蔵システムを導入したプロジェクトの実施拠点となる。また、チェコ共和国の褐炭火力発電所は、2028~2029年までに、より低排出の燃料への変換を図るとしている。
2021.08.06
中国:国家電網、陝西省の送配電系統全般を運営へ
現地紙は2021年8月6日、国有送配電企業である国家電網有限公司が、陝西省政府(地方政府)管理下の国有企業である陝西省地方電力有限公司を傘下に置いたと報じた。通常、各省の送配電事業は省政府所有の電網企業が単独で行うが、陝西省における送配電系統は、歴史的経緯から陝西省地方電力有限公司と国家電網系の陝西省子会社による「1省2会社」の状態が続いており、計画の不整合などの問題点が指摘されていた。今回、国家電網と陝西省政府は、国家電網71.7%、陝西省国有資産監督管理委員会28.3%の持分比率での新会社「国網陝西省電力有限公司」の設立に合意し、国家電網の管理下で陝西省における送配電系統の統合が図られることとなった。
2021.08.05
米国:バイデン政権、2030年に新車販売の50%を電動車とする大統領に署名
バイデン大統領は2021年8月5日、2030年に新車販売における電動車(電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV))の比率を50%とする目標を盛り込んだ大統領令(EO)に署名した。EOには、自動車の燃費基準に関する指示も含まれ、環境保護局(EPA)と運輸省(DOT)は、トランプ前政権が実施した燃費基準の規制緩和を見直す。今後、短期的には、カリフォルニア州の規制を基にした、2026年モデルの車に適用される連邦政府の燃費・排ガス基準を策定する。長期的には、早ければ2027年から中型車および大型車、少なくとも2030年までに乗用車などの小型車向けに、より厳しい規制を課す新たな燃費・排ガス基準を策定する。本取り組みは、バイデン政権が進める公約「より良い復興(Build Back Better)」の一環。地元報道によると、EOによる電動車の新車販売比率目標に強制力はなく、電動車の普及促進を奨励する政権の姿勢を示したものとしている。自動車業界団体等は、政権の方針に支持を示す一方、電動車の普及促進には、充電インフラへの投資、電動車への移行に向けた広範なインセンティブ(奨励金など)などが不可欠とし、連邦政府・議会等による政策支援の拡充・立法化を求めている。
2021.07.29
ドイツ:国家水素戦略に基づく最初の資金提供を決定
連邦経済エネルギー省は2021年7月29日、国家水素戦略に基づく最初の資金提供を決定し、水素プロジェクトTrailblazerが1億900万ユーロ(約140億4,800万円)を得ることになった。同プロジェクトではフランスの産業ガス事業者Air Liquide Deutschlandとエネルギー事業者Siemens Energyがパートナーシップの一環として、2023年までにPEM型水電解装置(2万kW)を、その後の第2段階で3万kWを建設する計画である。
2021.07.29
フランス:EDF再編計画、現政権下での実施は困難な見通し
2021年7月29日付の現地紙によると、フランスの電力大手企業EDFの再編計画に関するフランス政府と欧州委員会との協議は未だ合意に至らず、2022年までとなるマクロン大統領の任期中にEDF再編の実現は困難な見通しである。再編計画をめぐるフランス政府と欧州委員会との交渉において、政府は、子会社間での資金の融通に制限をかけず、グループ全体が統合された状態を維持すると主張する一方で、欧州委員会は、EU域内の市場競争を歪めるとして、各子会社間に一定の独立性を要求しており、交渉が難航している。
2021.07.29
英国:Drax、2012年比でCO2排出原単位を90%以上低減
英国の発電大手Draxは、2021年7月29日、2012年比で同社のCO2排出原単位が90%以上の削減を達成したと発表した。かつて西欧最大の石炭火力発電事業者であった同社は、現在は石炭火力の商業運転を停止し、バイオマス発電および水力発電に注力しており、英国全体の再生可能エネルギーの12%を発電している。今後は、バイオマス発電とCCS技術を組み合わせた「BECCS」の開発を計画しており、2027年の1号機運転開始の目標に向けて、技術パートナーとして三菱重工を選定した。同プロジェクトでは年間800万tのCO2排出を削減することが可能であり、同社は2030年までにネット・ゼロを達成すると表明している。
2021.07.27
米国:CAISO、自主的な節電を促すフレックスアラートを発令(今年6回目)
独立系統運用事業者であるカリフォルニアISO(CAISO)は2021年7月27日、平年以上の高い気温と主にエアコンの使用による電力需要の増加により需給逼迫が予想されることから7月28日午後4~9時の間で自主的な節電を需要家に求めるフレックスアラート(Flex Alerts)を発令した。フレックスアラートの発令は今年に入り6回目となり、以前と同様にCAISOは空調温度の高めの設定(華氏78度≒摂氏約25.6度)や、主要な電化製品の使用を控えるなどの協力を要請した。その後、フレックスアラートは計画どおり7月28日午後9時に解除されている。
2021.07.27
英国:浮体式実証事業3件が技術審査を通過
エネルギー情報誌は2021年7月27日、英国で検討されている浮体式洋上風力発電事業3件の状況について報じた。英国の海域を管理するCrown Estateが2021年3月に募集した浮体式の実証事業が技術的な審査を終了し、環境審査に進むことが発表されている。3件の発電出力の合計は30万kWで、これらの事業は欧州、米国のデベロッパーやエンジニアリング会社が実施するもので、新しい浮体構造や係留方法、建設方法などが試される。環境審査を通過すれば、海域のリース契約を締結することになる。着床式の洋上風力発電では世界最大の規模をもつ英国は浮体式事業でも世界に先駆けて市場を構築する考えで、2030年に100万kWの設備導入を目指している。英国では浮体式事業2件(合計出力:8万kW)が既に稼働しており、今回の3件(30万kW)の他にも2件(約13万kW)が検討されている。さらに北部のスコットランドで実施中の海域入札でも浮体式事業が実施される見通しである。
2021.07.26
中国:政府、時間帯別電気料金の見直しに着手
国家発展改革委員会(NDRC)は2021年7月26日、時間帯別電気料金の改善に関する通達(第1093号)を発表し、新エネの成長や電力市場規模の拡大などという現状を踏まえながら、時間帯別料金の見直しに着手することを地方政府や送配電会社に指示した。NDRCは各地域の需給状況や新エネ電源設備の状況および負荷特性を考慮して、ピーク・オフピーク時間帯の設定を適切に行いつつ一定幅以上の価格差を設定し、さらにその適用対象も第三次産業(商業・サービス業)にまで拡張させる方針である。NDRCは、その狙いについて、料金メニューの多様化により選択肢が増えることで、需要家側の負荷調整による料金負担の軽減をもたらすほか、電力会社のコスト削減にもつながると説明している。
2021.07.26
米国:2020年エネルギー起源のCO2排出量は過去約40年間で最低水準
米国エネルギー情報局(EIA)は2021年7月26日、2020年の米国におけるエネルギー起源のCO2排出量は、新型コロナの影響により2019年比11%減少の46億tとなり、1983年以来の最低水準であったことを発表した。エネルギー源別では、石油20億t(45%)、天然ガス17億t(36%)、石炭9億t(19%)であり、部門別では、運輸16億t(36%)、工業13億t(29%)、家庭9億t(20%)、商業7億t(16%)であった。EIAの予想では、新型コロナの収束に伴い、2021年のCO2排出量は2020年比で7%(3億t)増加すると見られる。
2021.07.22
英国:NGESO、2021年度冬季需給想定を発表
英国の系統運用者ナショナル・グリッドESO(NGESO)は2021年7月22日、2021年度の冬季需給想定(Winter Outlook Report)を発表した。2020年度の冬季ピーク需要想定では、新型コロナ禍による外出規制等により平年比3~4%低めの需要を予測していたが、2021年度は外出規制等が緩和される見通しから平年水準のピーク需要予測(5,950万kW)となった。供給側に関しては、ダンジネスB原子力発電所(燃料取り出し中)およびハンターストンB原子力発電所(2022年1月までに燃料取り出しに移行予定)が今冬は稼働せず、2カ所のCCGTガス火力発電所の運休も続く見通しが示された。一方、容量市場契約を有する石炭火力発電所の運転や、2021年10月からのノルウェーとの新たな連系線NSLの運開などが供給力として盛り込まれた。これらの需給予測から、2021年度の冬季予備率は7.3%と予想され、英国における系統信頼度基準の指標である予想電力不足発生時間(LOLE:Loss of Load Expectation)に換算して0.1時間とされた。
2021.07.22
オランダ:洋上グリーン水素プロジェクトPosHYdon、補助金承認される
2021年7月22日付のプレスリリースによると、オランダ沖北海の洋上にてグリーン水素製造を行うパイロットプロジェクトPosHYdonが、オランダ政府によるエネルギーと気候変動対策のための技術開発支援制度DEI+の補助金対象として承認された。エネルギー情報誌によると、補助金額は360万ユーロ(約4億6,800万円)の見込み。PosHYdonプロジェクトでは、洋上に水電解装置を設置し、海水から塩分を取り除いて真水へ変化させたうえ、洋上風力からの電力を利用した水電解によりグリーン水素を製造する。製造された水素は、既存のガス導管に混流のうえ沿岸へ供給される予定である。本プロジェクトの目的は、洋上での水素製造の大規模開発のために必要な知見を深めることであり、オランダ沖の北海は、洋上と地上を連結する既存のインフラ設備を強みに、新たなエネルギーハブとして大規模グリーン水素製造において主導的な役割を果たすことが期待されている。PosHYdonプロジェクトには、Q13a-Aを操業する石油・天然ガス開発企業Neptune Energyの他、13社が参加している。
2021.07.22
コロンビア:国際エネルギー機関、コロンビアの正式加盟を受け入れ
2021年7月22日付報道によると、国際エネルギー機関(IEA)は、コロンビアの正式加盟の申請を受け入れた。コロンビアのMesa鉱山エネルギー大臣は「IEAは、エネルギー転換について世界で最も重要な議論の場となっており、世界中の経験や取組みが共有され、エネルギー全体における最適な政策が設計されている」と述べ、「この加盟により、コロンビアのエネルギー転換の推進はIEAによって認められ、支援を受けることになる」と力説した。一方、IEAのBirol事務局長も「コロンビアがCO2実質ゼロ排出の達成に向けて、エネルギー転換を目指すエネルギー生産国として貴重な視点を提供する」と述べた。
2021.07.21
インドネシア・シンガポール:インドネシアに世界最大級の浮体式太陽光建設
2021年7月21日付の現地紙によると、シンガポールの太陽光発電事業者Sunseapは、インドネシア・バタム島自由貿易地域の開発・運営を行うバタムフリーゾーン監督庁(BP Batam)と、同島Duriangkang貯水池での浮体式太陽光発電所の建設に関する覚書を締結した。発電容量は220万kWで、4,000MWhの電力貯蔵システムを併設する。同貯水池は島内の淡水供給の50%以上を占め、1,600ヘクタールを占める浮体式太陽光発電設備は、貯水池からの水の蒸発を防ぐことにも役立つとされている。同社によると、本設備は現時点で世界最大級の浮体式太陽光発電設備になるとコメントしている。
2021.07.20
中国・ブラジル:国家電網の現地出資配電会社がブラジルの送電会社株式を取得
中国の国有送配電企業である国家電網有限公司は2021年7月20日、同社が株式の83.71%を保有しているブラジル配電会社のCPFL Energia(本社:サンパウロ州)が、送電会社CEEE-Tの66.06%の株式を取得したことを明らかにした。CEEE-Tの株式は数社による価格競争の結果、最終的にCPFLが26億7,000万レアル(約575億円)で落札した。CEEE-Tはブラジル南部リオグランデ・ド・スール州で送電線6,000km、変電所72カ所を所有し、その規模はブラジルの送電資産の4%を占めている。一方、CPFLの配電事業は、リオグランデ・ド・スール州の人口の77%をカバーしている。
2021.07.19
フランス:EDF、再エネクラウドファンディングのポータル開設
フランスEDFは2021年7月19日、同社がフランス国内で進める太陽光・風力発電プロジェクトへの出資者を募集するためのクラウドファンディングポータルサイトの開設を発表した。同社は、2015年から同様の資金調達手段を採用しており、これまでに30以上の再エネプロジェクトに対し約3,700の個人から約700万ユーロ(約9億円)を調達している。これらは住民参加型の取り組みであり、プロジェクト地点およびその周辺地域の住民のみが出資することができる。1人当たりの平均出資額は約1,500ユーロ(約19万円)、多くの人がプロジェクトの建設中に出資を行い、出資参画期間中(約4年間)は定期的にプロジェクトの進捗状況について報告を受ける。今回発表の新しいポータルサイトでは、各プロジェクトのクラウドファンディング運営会社のサイトを経由して、EDFグループ全体の再エネプロジェクトに関するプロジェクト概要や、資金調達に関する詳細な情報も閲覧可能となっている。現在は、太陽光、風力プロジェクトのみが対象だが、今後はE-mobility関連や顧客サービス関連などエネルギー移行に関するプロジェクトも紹介予定としている。EDFのコンシューマー市場担当役員のFabrice Gourdellier氏は今回の発表に際し、今回のクラウドファンディング用ポータルを活用することで、同分野をリードしていくと述べている。
2021.07.16
中国:政府、グリーン産業分野の国外投資ガイドラインを発表
商務部と生態環境部(双方とも日本の「省」に相当)は2021年7月16日、「国外のグリーン分野への進出、投資に関するガイドライン」(第309号)を発表した。同ガイドラインでは、持続可能な開発のためにはグリーン産業分野の開発が必要条件となるとの観点から、地方政府や企業が国外において、グリーン産業を念頭に置いた建設・運営・イノベーションを実施し、さらにはグリーン産業分野への投資を奨励するとしている。エネルギー分野では、太陽光、風力、原子力、バイオマスなどクリーンエネルギー分野における対外投資を支援するとともに、グリーン・低炭素型の工業団地の建設などを奨励している。さらに、これらを実現するために、政府が関係国のグリーン産業発展戦略との連携をとると共に、政策面でのコミュニケーション強化に努めることにも言及されている。
2021.07.16
中国:全国大での炭素排出権取引が開始される
現地紙は2021年7月16日、全国大での炭素排出権取引が開始されたと報じた。最初の取引は合計16万トンについて、1トンあたり52.78元(約897.3円)の価格で成立した。報道では初日の取引には、国有発電大手企業である華能集団、華電集団、大唐集団などが参加したと伝えられているが、正式には公表されていない。全国大での炭素排出権取引の参加対象者は、当面は発電事業者に限定されるが、これら企業の炭素排出量は40億トンを超えると推定されている。
2021.07.15
ドイツ:太陽光競争入札の結果
連邦系統規制庁(BNetzA)は2021年7月15日、太陽光発電設備(地上設置型)の競争入札の結果を報告した。応募は242件、113万kWと前回に引き続き募集容量51万kWを大きく上回り、そのうち95件、51万3,250kWが落札された。最低落札額は4.69ユーロセント/kWh(1ユーロセントは約1.3円)、最高落札額は5.09ユーロセント/kWh、落札加重平均額は5.00ユーロセント/kWhであった。また、ルーフトップPVの初回入札も同時に行われ、これも募集容量15万kWに対して168件、21万3,000kWの応募があり、そのうち114件、15万2,000kWが落札された。最低落札額は5.35ユーロセント/kWh、最高落札額は7.89ユーロセント/kWh、落札加重平均額は6.88ユーロセント/kWhであった。
2021.07.15
米国:FERC、送電線計画に関する規制の改革に向けた手続きに着手
連邦エネルギー規制委員会(FERC)は2021年7月15日、将来に向けた地域送電計画とコスト配分および電源連系プロセスの改善を目的とし、一般からのコメントを募るため規則案事前通知(ANOPR:Advanced Notice of Proposed Rulemaking)を発出することを承認した。同ANOPRでは、将来予想される電源の拡大を考慮したより長期的な地域送電計画および費用配分プロセスの改革、地域内および地域間の送電設備の増強に対する費用責任の再検討、新規送電設備の決定過程およびその費用負担方法に対する監視強化の3点を主な分野としている。FERCのリッチ・グリック委員長は会議の中で、送電線増強の必要性を強調し、米国の接続検討待ちリストには、現在約7億5,000万kWの新規電源があり、このうち再生可能エネルギー電源が93%を占めていることを指摘し、将来建設される発電資源をより考慮した送電計画プロセスが必要だと述べた。本件コメントの提出期限は連邦官報での公表後75日となっている。
2021.07.14
EU:2050年、2030年EU目標達成に向けた政策案「Fit for 55」を提出
欧州委員会は2021年7月14日、EUの2050年カーボンニュートラル目標実現に向け、GHG排出量を2030年までに1990年比で少なくとも55%削減するという中間目標達成に向けた包括的な政策案「Fit for 55」を採択した。政策案には、この先10年のGHG排出削減に重要となる(1)欧州排出量取引制度(EU-ETS)の強化と排出量取引の新産業分野への適用、(2)再エネの利用拡大、(3)エネルギー効率化、(4)低排出モビリティやこれを支えるインフラ整備、(5)欧州グリーンディールと課税政策の整合、(6)炭素国境調整メカニズム(CBAM)の創設および自然の炭素吸収源の保全・拡大といった施策が盛り込まれている。(1)では、年間排出枠を引き下げるとともに対象部門に新たに海運を加え、別枠で交通輸送・建物部門の取引制度を設立する。(2)では、再生エネルギー指令を改正し、EUの2030年エネルギーミックスにおける再エネ割合目標を従来の32%から40%に引き上げる。(3)では、エネルギー効率化指令を改正し、EUの2030年のエネルギー効率化目標を従来の32.5%から36~39%に引き上げる。(4)では、2035年からガソリン車の新規販売を禁止し、低排出モビリティへの移行を加速するため、欧州内の主要高速道路上に充電ステーションを60kmごと、水素ステーションを150kmごとの一定間隔で設けることを求める。(5)では、エネルギー課税指令を改正し、化石燃料の使用を促す現行の税控除・軽減税率を排除することや、新たに航空燃料税を導入する。(6)では、炭素リーケージ防止のため、CBAMにてEUへの製品輸入(鉄鋼、アルミニウム、セメント、電力、肥料)に炭素税を課す。また、EU全体のLULUCF(土地活用、土地利用の変更、および林業)による炭素吸収量の目標として、2030年までに二酸化炭素3億1,000万t相当を設定。同政策案が成立するためには、原則として加盟国との調整や欧州議会の審議を経る必要がある。2035年からガソリン車販売を事実上禁止するという大胆な措置に自動車ロビー団体は即座に反発している。また、その他産業にも多大な影響を及ぼすことが予想されることから、ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)は同政策案の今後の検証が重要だと指摘している。
2021.07.14
米国:エネルギー省、長時間電力貯蔵設備のコストを9割低減する目標を発表
米国エネルギー省(DOE)は2021年7月14日、大規模電力貯蔵設備のコスト削減目標を新たに発表した。“Long Duration Storage Shot”と呼ばれる本計画では、事業用の大規模かつ10時間以上の貯蔵が可能な設備のコストを、今後10年以内に2020年の価格レベル(162ドル/kWh)から90%低下させることを目指す。バイデン大統領は2050年までに炭素排出をネット・ゼロとする目標を掲げており、電力貯蔵は目標達成に向け低炭素技術の導入拡大に不可欠となっている。
2021.07.13
中国:CNNC、小型モジュール炉ACP100を昌江原子力発電所敷地内で着工
中国核工業集団有限公司(CNNC)は2021年7月13日、海南省昌江原子力発電所の敷地内で、小型モジュール炉(SMR)「ACP100」(中国名:玲瓏一号/電気出力12万5,000kW)を着工したと発表した。ACP100は発電、海水淡水化、地域暖房、産業用熱供給など多目的に利用可能で、低コストかつ工期が短いなどの特徴を持つとされている。CNNCが2010年に開発に着手したACP100は、100万kW級大型炉「ACP1000」を改良した第3世代の小型炉で、国際原子力機関(IAEA)の包括的原子炉安全レビュー(GRSR)を2016年に受けている。
2021.07.09
韓国:韓国規制当局、新ハヌル原子力1号機の条件付運転を承認
韓国原子力安全委員会(NSSC)は2021年7月9日、韓国水力・原子力発電会社(KHNP)の新韓蔚(新ハヌル)原子力発電所1号機(APR1400、140万kW)に対し、運転を承認するとともに追加の安全対策を指示した。同号機は2012年7月に着工後、2014年12月に運転認可申請手続きを開始していた。今回の運転承認により同号機は、同年7月14日に原子燃料の装荷を開始しており、今後試運転を経て、2022年3月の商業運転開始を計画している。
2021.07.13
米国:CAISO、山火事・熱波の影響等により緊急事態(ステージ2)を発出
2021年7月13日の現地報道等によると、米国西部は今年に入り3度目となる熱波に見舞われている。気温が各地で華氏100度(摂氏約37.8度)を超え、過去の最高気温を更新した地点も複数見られる。独立系統運用事業者であるカリフォルニアISO(CAISO)は7月8日、自主的な節電を需要家に呼びかけるフレックスアラート(Flex Alerts)を7月9日16~21時の間で発出した。フレックスアラートが開始され電力需要が減少し始めたものの、オレゴン州南部で発生した山火事Bootleg Fire(7月6日に落雷により発生)が燃え広がったことで付近に施設されていたカリフォルニア州とオレゴン州の連系線(COI:California Oregon Intertie、送電容量:約480万kW)の運用が制限(上限42万8,000kW)されたこと等により電力需給が逼迫した(CAISOは当初、ピーク時の需要を4,000万kW強、利用可能なリソースを4,600万kWと予測)。CAISOは、その後7月9日18時48分、ステージ2の緊急事態を発出した(さらにステージ3に移行した場合、CAISOは小売事業者へ輪番停電を含む負荷の強制遮断を実施する可能性を通知する)。取り得る対策により、緊急事態は、需要が落ち着いた同日21時に解除されたが、山火事や熱波の脅威が続いており、その後もフレックスアラートが7月10日16~21時、7月12日16~21時の間で発出された。CAISOは7月13日現在、気温の低下が予測されることからフレックスアラートを発出する予定はないとしている。
2021.07.08
ドイツ:政府、EV購入者を対象とした補助金付与制度を2025年まで継続
連邦経済エネルギー省は2021年7月8日、電気自動車(EV)を購入した者に対する補助金付与制度を2025年まで延長することを発表した。当該制度では正味価格4万ユーロ(約520万円、1ユーロ=約130円、以下同)未満のEVの購入者は最大9,000ユーロ、ハイブリッド車の購入者は6,750ユーロの補助金を、4万ユーロ以上のEV・ハイブリッド車の購入者は、それぞれ7,500ユーロ、5,625ユーロの補助金が申請可能である。当該制度は2016年に開始され、2021年7月1日までに合計69万3,601台に対する申請が行われた。申請数は近年増加傾向にあり、2021年上半期には2020年全体の申請数を上回り約27万3,000件となり、補助金の総額は約12億5,000万ユーロ(約1,635億9,800万円)であった。
2021.07.07
中国:政府、循環経済発展5カ年計画を発表
国家発展改革委員会は2021年7月7日、現行の中期計画である第十四次5カ年計画(2021〜2025年)における循環経済発展5カ年計画を発表した。資源の節約および環境保護という国家政策のもと、資源循環型産業体系の構築を企図した内容となっている。具体的には、廃棄物リサイクル利用体系構築の加速、資源の利用効率およびリサイクル率の向上、循環型農業経済生産方式の確立という3点の重点方針を掲げ、エネルギー分野ではコージェネレーションや分散型再エネ電源を活用した循環型資源有効利用産業団地の展開などによりクリーン低炭素型の経済発展体系確立を目指している。また、同計画では2025年までに主要資源の生産能力を2020年比で2割引き上げを図るとともに、リサイクルの数値目標として古紙(6,000万t)、鉄鋼廃材(3億2,000万t)などが明示され、資源リサイクル産業の規模を5兆元(約85兆円)とする目標も打ち出されている。
2021.07.07
米国:米国の主要企業約80社、連邦議会にクリーン電力基準の制定を要請
2021年7月7日付の現地報道によると、米国の主要企業約80社(Apple、Google、GM、Teslaなど。電力大手ではExelon)が、連邦議会に対し連邦政府によるクリーン電力基準(CES)の制定を求める書簡に署名した。書簡では、2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量の80%を削減し(2005年比)、2035年までに電力分野でのカーボンニュートラルを実現するという目標達成に向けてCESの制定を強く求めている。CESをめぐっては、エネルギー省(DOE)のグランホルム長官が2021年7月8日のCNNの番組で、米国での昨今の記録的な熱波、干ばつ、ハリケーンなどの異常気象とも結び付けながら、「(GHG排出量削減等の目標達成に向けて)CESは最も重要な要素」と述べるなど、連邦議会によるCESの法制化に強い期待感を示した。
2021.07.05
オランダ:Vattenfall、洋上風力Hollandse Kust Zuidの建設工事を開始
スウェーデンのエネルギー大手Vattenfallは2021年7月5日、オランダ沖で開発中の洋上風力発電プロジェクトHollandse Kust Zuidの建設工事作業を開始したと発表した。建設工事はモノパイル基礎の設置から始まり、その基礎を設置するための第1船が同日運航を開始した。最大の基礎は、重量が955t、長さが75mであり、最小の物でも、重量が735t、長さが62mある。設置船は基礎を沖合に運び、船に搭載されたクレーンにより基礎を17~28mの深さの海底に打設させる。今後数カ月で、数十の基礎を設置する予定であり、悪天候の多い冬季の休工期間を経て、ケーブル敷設やタービン設置が予定されている。最初のタービンの試運転は2022年春を予定しており、2023年夏にはすべてのタービンが運転を開始する。140基のタービンの合計設備容量は150万kWであり、世界最大規模の洋上風力発電所となる見込みである。
2021.07.02
中国:当局、各省別の2020年度RPSの評価報告を公表
国家能源局は2021年7月2日、各省別の2020年度における再エネ発電電力割合(RPS)の評価報告を公開した。今回の報告では、「再エネ発電全体」(水力を含む)と「水力以外の再エネ発電」の2種の項目について評価が行われているが、異常気象による渇水の影響を受けた福建省が、「再エネ発電全体」の項目でRPSを達成できなかったことを除き、全土30の省(チベットを除く)は、すべて「再エネ発電全体」と「水力以外の再エネ発電」双方をクリアしたとされている(福建省は、2021年度分に2020年度不足分上乗せが認められた)。なお、河南省および浙江省は広域電力市場の取引で、目標値を上回る実績を残した青海省と寧夏回族自治区から、再エネ発電電力をそれぞれ12億kWh、12億5,500万kWhを取得したことで目標値を達成した。省別RPS制度は2020年度から本格運用が開始されている。
2021.07.02
EU:ドイツなど5カ国が原子力をタクソノミーに認定しないよう要望
エネルギー情報誌は2021年7月2日、EUが検討している持続可能な事業分類(タクソノミー)での原子力の扱いについて、ドイツなど5カ国が認定に反対との共同書簡を欧州委員会に送ったと報じた。タクソノミーの気候変動に係る技術基準は2021年4月に公表されたが、天然ガスと原子力は加盟国間の意見の隔たりが大きく、欧州委員会が扱いを検討中である。原子力についてはEUの機関であるJoint Research Centre(JRC)が「原子力が、風力や太陽光などの発電方式よりも健康や環境問題について悪影響が大きいことを示す指標はない」とした報告書をまとめ、欧州委員会は専門家による評価を実施中で、最終評価が近々まとまるとされる。5カ国(ドイツ、オーストリア、デンマーク、ルクセンブルク、スペイン)の環境分野を所轄する大臣は共同書簡を提出し、この中で、JRCの評価は通常の環境での原子力の評価を行ったもので、原子力災害が発生した場合の危険性やコストを評価していないこと、使用済み燃料の最終処分場は世界で1件も実績がないことを挙げて、JRCの評価は適切ではないとしている。このため原子力をタクソノミーに加えた場合、タクソノミー全体の信頼性に傷をつけることになり、結果として有効性を損なうことになると主張している。
2021.07.01
台湾:台湾電力公司、第2(国聖)原子力発電所1号機の運転終了を発表
台湾電力公司(TPC)は2021年7月1日、台湾北部の新北市萬里区にある第2(国聖)原子力発電所1号機(BWR、102万7,000kW)の運転終了を発表した。同号機は2017年4月に原子能委員会(AEC)の許可を得て使用済燃料(SF)貯蔵プールを拡張して運転してきたが、プール逼迫のため、2020年定期検査時の新燃料の取替体数が制限され、2021年2月までフルパワー運転できる量しか装荷できなかった。TPCは同号機の出力レベルを80%に抑えることで6月中旬までの運転を達成した。同号機の運転許可は2021年12月27日まで有効でTPCは当該許可失効後に廃止措置に移行するとしている。2018年にAECに提出され、2020年10月に承認された同号機の廃止措置計画に含まれるSF乾式貯蔵施設の新設工事は、TPCと新北市との紛争で着手が遅れている。
2021.06.30
インド:政府は4兆5,000億円相当の配電改革スキームを認可
2021年6月30日付の報道によると、インド内閣経済委員会(CCEA)は、3兆300万ルピー(約4兆5,000億円)の配電会社改革スキームを認可した。うち9,763億ルピー(約1兆4,500億円)を中央政府が負担する。同スキームは、2021年現在実施中の2つの配電改革スキーム(IPDS、DDUGJY)を統合する形で、2025年度(2026年3月末)まで実施される。同スキームは2021年現在で21.4%の総合損失を2024年度(2025年3月末)までに12~15%に低減することを目的に、私営を除く配電会社を対象として、配電会社の系統や設備の強化、運用効率や経済性の改善、2億5,000万軒へのスマートメーター設置等が実施される予定である。
2021.06.30
フランス:Engieが新組織の設立を発表、分離組織をEquansと命名
エネルギー大手Engieは2021年6月30日、4つのグローバルビジネスユニット(GBU)と地域プラットフォームで構成される新組織の設立を発表した。本件は同年5月に公表された戦略ロードマップに基づくものであり、グループ管理の簡素化、コア事業への集中による業績の向上、支援機能の集約による業務の効率化を目的とする。4つのGBUは、再生可能エネルギー、エネルギーソリューション、インフラ、火力・小売で構成され、それらの支援とGBU間の連携を目的とした部門として地域プラットフォームが設立される。また、分離が予定されている顧客サービス関連の事業についてはEngie内に独立組織が設立され、新たに「Equans」と命名された。また、同日付の現地経済紙はこのEquansの今後についてスケジュールは明らかではないものの、上場、同業企業への売却(フランスのBouyguesやSpieが関心を示している模様)、もしくは投資ファンドへの売却といった可能性があり、2022年初めには最終判断がなされる見通しとし、Equansの推定評価額は約50億ユーロ(約6,300億円)に上ると報じている。また、Equansの売却に関しては従業員からの反発も強く、同紙によればEngieは一定期間、株式の一部を保有し続ける可能性もあるとしている。
2021.06.30
英国:政府、GHG排出削減対策なしの石炭火力を2024年10月までに廃止
英国政府は2021年6月30日、従来の脱石炭期限である2025年から1年前倒しの2024年10月までに、GHG排出削減対策なしの石炭火力発電を廃止すると発表した。英国政府はこれまで2025年10月までに石炭火力発電を段階的に廃止することを目指してきたが、1年前倒ししても国内炭鉱業に大きな影響はないとの判断に至った。また、2021年11月にCOP26を控え、議長国として気温上昇を1.5℃以下に抑えることに貢献し、CO2排出削減で他国をけん制する狙いがある。英国では2020年、発電電力量の43.1%を再エネが占め、内訳は風力が24.2%、バイオマスが12.6%、太陽光が4.2%、水力が2.2%であった。一方で石炭火力のシェアは1.8%に過ぎず、2012年の約40%から大きく低下している。今回の廃止期限前倒しは発電用に限られたもので、製鉄での石炭使用などへの影響はない。
2021.06.29
カナダ:連邦政府、新車販売の100%ゼロエミッション車化を2035年に前倒し
カナダ政府は2021年6月29日、国内で新車販売される乗用車と小型トラックを2035年までに100%ゼロエミッション車(ZEV)とする計画を発表した。従来のZEVの新車販売目標(2025年:10%、2030年:30%、2040年:100%)から期限を前倒しするとともに、目標を義務化する。アルガブラ運輸相は、国際エネルギー機関(IEA)の報告書『Net Zero by 2050』(2021年5月発表)を挙げ、「IEAの示す内燃機関車(ガソリン車やディーゼル車)の新車販売禁止目標と一致する野心的な目標。今後、ZEVの導入促進に向けて、既に実施している電気自動車(EV)への補助金6億加ドル(約540億円)の拡大のほか、充電インフラへの投資、規制変更、新規インセンティブの導入などを検討したい」と述べた。カナダの州政府レベルでは、2019年5月にブリティッシュ・コロンビア州が2040年までに内燃機関車の段階的廃止を、2020年11月にはケベック州が2035年に内燃機関車の新車販売禁止を決めている。
2021.06.28
中国:世界2位の規模の白鶴灘水力発電所が部分的に運開
水力最大手の中国長江三峡集団公司は2021年6月28日、白鶴灘水力発電所(総設備容量1,600万kW)の一部が運開したと発表した。白鶴灘水力発電所は、四川省と雲南省の境にある長江上流の金沙江に位置し、100万kWという単機容量としては世界最大の水力発電設備を16基備え、全て運開すると三峡発電所に次ぐ世界第2位の規模となる。今回、このうち1号機と14号機が試運転を終えて商業運転を開始したが、これに対して習近平国家主席も、「白鶴灘発電所は、国家的な重要案件であり、関係者は団結・協力して困難を克服した。カーボンニュートラル目標の達成へ向け、関係者が今後も活動を計画的に推進して、更なる貢献をすることを期待する」との祝辞を寄せた。全面運開は2022年7月に予定されている。
2021.06.27
スウェーデン:世論調査で77%が原子力支持、過去最高の46%が新設にも賛成
スウェーデンの原子力調査機関Analysgruppenは2021年6月27日、Novus社に依頼した世論調査で原子力発電を同国民の77%が支持し、57%が気候変動目標を達成するためのツールになり得ると考えているとの結果を発表した。同調査は2021年5月に実施され、無作為に選ばれた18~79歳の1,025人から回答があったもの。新設に賛成する割合は2006年の調査開始以来最高の46%となり、既存炉は利用するが新設に反対する31%との計77%が原子力発電を支持すると回答した。残りの内訳は、段階的に廃止が14%、未定が10%である。
2021.06.26
米国:オレゴン州法案、2040年までに電力部門のGHG排出量をゼロに
オレゴン州の上院議会は2021年6月26日、州内の小売電気事業者に対して2040年までにGHG排出量をゼロにすることを義務付けるクリーンエネルギー法案「100%Clean Energy for All」を可決した。同法案は前日に下院でも可決されており、法案の成立にはケイト・ブラウン知事(民主党)の署名を待つのみとなる。本法案では州の環境品質局が設定する基準値に照らして、GHG排出量を2030年に80%、2035年に90%削減する暫定要件を設定している。これらを達成するために、火力発電所の新増設の認定禁止や、電気事業者の供給電力量の10%を再エネやバイオマスが占めるよう義務付ける措置等が盛り込まれている。また、山火事を防止するための計画停電への対応として、非常時に稼働するバッテリーやマイクログリッドに5,000万ドルを投資するとしている。
2021.06.24
中国・米国:新疆で操業するシリコン製造5社が米の規制リスト入り
現地紙は2021年6月24日、米国の商務省・産業安全保障局(BIS)の規制対象エンティティー・リスト(EL)に、新疆ウイグル自治区で太陽光パネルの原料となるシリコンを生産している合盛硅業、大全新エネルギー、東方希望有色金属、協鑫新能源材料科技および新疆生産建設兵団(XPCC)の5社が新たに追加されたと報じた。今後、これら5社からの米国向け輸出分は事前許可が必要となり、実質的な輸入禁止措置となる。ELへの追加理由に関してBISは、新疆での生産における強制労働への関与としているが、中国政府の外交部(日本の外務省に相当)は、これは完全な虚偽に基づくもので、世界的に大きなシェアを占める新疆の太陽光関連産業を念頭に置いたELの悪用で、国際貿易規則および市場経済の原則に反すると批判した。
2021.06.24
英国:気候変動委員会、2020年の排出削減状況を報告
英国政府の諮問機関である気候変動委員会(CCC)は2021年6月24日、2020年における英国の気候変動対策と、今後取り組むべき対策をまとめた報告書をそれぞれ発表した。CCCによると、2020年は新型コロナ禍の影響により航空を中心に運輸部門からの排出量が大幅に減少し、英国の総排出量は前年比13%減、1990年比では48%減となった。しかし、2021年以降は排出量のリバウンドが予想されていることから、特に建物、運輸、産業、農業の脱炭素化を早急に進めるべきとしている。電力需要も新型コロナ禍により前年から約1%減少した。一方、発電量に占める再エネの割合は29%(前年は27%)と過去最高を記録、化石燃料使用の発電量が減少したことから、2020年における電力の排出原単位は前年比10%減の182gCO2/kWhとなった。CCCは、今後電力の排出原単位を2030年までに50gCO2/kWh以下、2035年までに10gCO2/kWh程度まで引き下げる必要があるとしている。
2021.06.24
米国:バイデン大統領、インフラ投資計画で超党派上院議員団と合意
バイデン大統領は2021年6月24日、妥協点の模索を続けていたインフラ投資計画について、超党派上院議員団(民主・共和両党から各5名で構成)と合意したと発表した。今回の合意により、2021年3月発表の「米国雇用計画」での2兆ドル超の支出規模を縮小し、道路や橋梁などのインフラ整備への支出を5年間で9,730億ドル、8年間で1兆2,090億ドル(うち新規支出は5,790億ドル)とした。新規支出のうちエネルギー関連の投資では、送電設備などの電力インフラに730億ドル、環境修復に210億ドル、電気自動車(EV)の充電インフラに75億ドル、スクールバスなど車両の電動化に75億ドルなどが計画されている。財源には、失業保険給付金や新型コロナ救済策の未使用分、戦略石油備蓄(SPR)の売却益などを充てる。今回の合意には、大統領が提案したクリーンエネルギーや気候変動対策、教育・福祉などへの投資を行う「米国家族計画」を含む経済対策の大部分が含まれていないが、民主党はこれらの部分について、財政調整措置と呼ばれる手続き(上院で単純過半数での可決が可能)での成立を目論んでいる。
2021.06.23
フランス:Engie、顧客ソリューション部門の分社化を従業員代表と協議
2021年6月23日付の現地経済紙は、エネルギー大手Engieが進める顧客ソリューション部門の分社化計画に関する、同社経営陣と従業員代表との協議状況について報じた。同社顧客ソリューション部門は、空調・電気設備関連工事、建物改修、ファシリテーションマネージメント事業等が分社され新会社(仮称「Bright」)を新設する計画であり、新会社の売上高は120億~130億ユーロ(約1兆5,000億~1兆6,000億円)、従業員数はフランス国内の約2万6,500人を含む約7万4,000人とされる。経営陣は本件に関する従業員代表との協議において「事業の収益性に大幅な影響を与える外部環境の変化を除き、売却契約締結から最低 2年間は欧州内において人員削減を行わないよう新株主に求めること」、「Bright売却前にいかなる強制的人員削減も行わないこと」を書面にて約束したとされる。これに対し欧州の従業員代表は不満の意を示し、2年でなく3年間の雇用保証と少なくとも5年間は本社をフランスに置くことを要求するとともに、経営陣が示す新株主に対する要求には法的拘束力がない可能性を指摘している。
2021.06.22
中国:上海排出権取引所、全国大の炭素排出権取引規則を公告
上海環境エネルギー(排出権)取引所(SEEE)は2021年6月22日、全国大の炭素排出権取引に関する規則の一部を公表した。上海環境能源取引所は、全国大の専門取引所設立までの間、暫定的にその取引業務を代行している。今回、公表されたのは(1)初期段階の炭素排出権の取引は、一回当たりの取引量で区分され10万t-CO2未満の取引所取引と10万t-CO2以上の相対取引の2種で行われること、(2)値幅制限は、前日終値を基準として取引所取引の場合±10%、相対取引の場合±30%とすること、(3)取引への中間業者や機関投資家など参画は当面認めないことなど。また、政府からの有償排出権の公募などついては、別途定められる。
2021.06.21
中国:国家原子力機構、HLW処分に係る北山地下調査研究所の建設開始を発表
中国国家原子力機構(CAEA)は2021年6月21日、甘粛省酒泉市近郊で高レベル放射性廃棄物(HLW)の処分技術に係る研究施設として、北山地下調査研究所の建設を開始したと発表した。同年6月17日に同地で起工式が開催され、CAEAや中国生態環境部、地元自治体に加え、当該プロジェクトを遂行する中国核工業集団有限公司(CNNC)、および傘下の核工業北京地質研究院(BRIUG)などの代表者が参加した。同研究所はゴビ砂漠の地下560mの花こう岩層に総構造容積51万4,200m3の巨大地下施設として建設され、同じ目的の施設としては世界最大とされる。建設工期は7年間で、竣工後は同地域のHLW処分場適正調査などでおよそ50年間にわたって活用される。同地域が処分場の適地と確認されれば、同研究所の近辺にHLWの最終処分場を2050年までに建設するとしている。
2021.06.18
米国:メイン州、2030年までに40万kWのエネルギー貯蔵導入目標法が成立
メイン州のジャネット・ミルズ知事(民主党)は2021年6月21日、同州におけるエネルギー貯蔵設備の導入目標を設定する法案(LD 528:An Act To Advance Energy Storage in Maine)に署名、承認した。同法では、(1)エネルギー貯蔵設備の導入目標として、2025年末までに30万kW、2030年末までに40万kWを設定、(2)2031年以降は、2年ごとに州のエネルギー局がエネルギー貯蔵設備の導入目標を設定し議会に報告、(3)州のエネルギー効率化・排出削減を推進する独立行政法人であるEfficiency Maine Trustに対し、エネルギー貯蔵への支援手段、ピーク需要の削減・シフト方法の検討などを求めている。米国エネルギー貯蔵協会(ESA)によると、エネルギー貯蔵設備の導入目標を制定した州は、メイン州で9州目となる。直近では、コネチカット州で2021年6月17日に州法(SB 952)が成立(導入目標:2030年までに100万kW)した。
2021.06.18
スペイン・韓国:Iberdrolaがアジアの再エネ開発を進めるため韓国企業と提携
エネルギー情報誌は2021年6月18日、再エネ事業の拡大を進めるIberdrolaが韓国の総合エネルギー企業GS Energyと再エネ事業開発を目的にJVを設立することで覚書を締結したと報じた。この合意により陸上/洋上風力や太陽光発電などの再エネ事業を韓国およびアジア諸国で進めるための基盤を整備することになる。GS Energyは韓国最大のIPP事業者で580万kWの発電設備を所有している。Iberdrolaは既に日本やオーストラリアで企業買収などにより再エネ事業を進めているが、今回の合意によりアジア市場への参入を強化する。
2021.06.16
米国:CAISO、猛暑により自主的な節電を促すフレックスアラートを発令
独立系統運用事業者であるカリフォルニアISO(CAISO)は2021年6月16日、カリフォルニア州広域で猛暑(摂氏約37.8度以上)となり供給力が約30万kW不足すると予想されたことから、6月17日午後5~10時の間でフレックスアラート(Flex Alerts)を発令した。フレックスアラートは電力系統への負荷を軽減し、輪番停電を回避するために自主的な節電を需要家に呼びかけるものである。CAISOは空調温度の高め設定(摂氏約25.6度)や、主要な電化製品の使用を控えるなどの協力を要請した。また、CAISOは6月17日、フレックスアラートを6月18日午後6~9時の間でも実施すると発表した。結果、節電等の効果により輪番停電は回避されている。
2021.06.16
米国:連邦議会下院、企業にESG等の情報開示を義務付ける法案を可決
連邦議会下院は2021年6月16日、上場企業に対し、米国証券取引委員会(SEC)にESG(環境・社会・ガバナンス)などに関する事項の情報開示を義務付ける法案(H.R.1187)を僅差で可決(賛成215、反対214)した。同法案は、投資家が十分に投資判断を行えるよう、(1)ESG指標が長期的な事業戦略に与える影響、(2)気候変動に関する財務リスク、(3)政治活動への支出、(4)従業員の昇給率、(5)外国で支払った税金、などを定期的に開示することを上場企業に義務付ける。なお同法案への共和党からの賛成者はおらず、民主党からは4名が反対した。今後、同法案は上院で審議される。企業のESG等の情報開示をめぐっては、2021年3月15日にSECが開示基準見直しのパブリックコメントを募集、同年6月11日にはGoogleの親会社Alphabetなど米国大手テック7社が、SECに企業の気候変動対策に関する情報開示への働きかけを要望している。
2021.06.15
ドイツ:BNetzA、陸上風力発電の入札結果を発表
連邦系統規制庁(BNetzA)は2021年6月15日、陸上風力発電の入札結果を発表した。今年の5月1日までに、募集容量124万3,000kWを若干下回る116万1,000kW(プロジェクト137件)が応札し、合計111万kW(同127件)が落札され、平均保証価格は59.1ユーロ/MWh(約7.4円/kWh)となった。連邦州レベルでの建設許認可の規制緩和が進んでいないことが影響し、陸上風力発電の入札は前回に引き続き不振であり、募集容量に対し応札容量が満たない状況が続いている。また、平均保証価格は前回入札の60ユーロ/MWh(約7.5円/kWh)から若干低下しており、BNetzAによるとこれは改正再エネ法(EEG2021)に基づき募集容量を150万kWから124万3,000kWに減らしたことによる影響としている。
2021.06.14
中国:政府の政策投資銀行、脱炭素関連事業に特別融資枠を設定
現地専門紙は2021年6月14日、中国国家開発銀行(CDB)が現行の第14次五カ年計画期間中(2021~2025年)におけるカーボンニュートラル関連事業に対し、巨額の特別融資枠を設定したと報じた。今回の特別融資枠は主に、水力発電(揚水を含む)、原子力、風力(洋上を含む)、太陽光、水素などのクリーンエネルギーの開発のほか、広域送電系統、天然ガスサプライチェーン、各種電源と電力貯蔵との相互補完運用案件および炭層ガス(CBM)開発なども対象としている。2021年度は約1,000億元(約1兆7,000億円)が投じられる予定である。
2021.06.14
フランス:Saint-Brieuc洋上風力発電プロジェクトで作業油の漏洩事故が発生
2021年6月14日付の現地報道によると、フランス西部のブルターニュ沖で建設中のSaint-Brieuc洋上風力発電プロジェクトにおいて、同日朝、掘削用船舶から作動油100リットルが漏洩し、約40km2に及ぶ海洋に放出された。翌15日には、漏洩の痕跡が消滅したことから、土壌汚染のリスクの後退および状況の良好な経過が確認された。16日には、Saint-Brieuc湾から約8km地点で漏洩の痕跡が確認されたものの、14日の事故との関連性は正式には確認されていない。17日以降は新たな漏洩の痕跡は確認されていないが、政府は、事態の経過を観察するための警戒態勢を継続している。同プロジェクトは、スペイン大手Iberdrolaの子会社であるAiles Marine社の主導により、2023年の運転開始に向けて、2021年5月から掘削作業が行われていた。この事故を受け、環境保護団体や漁業団体はAiles Marine社を起訴する意向を示している。
2021.06.14
英国:産業団体、政府に対し具体的な脱炭素化プランの策定を求める声明を発表
英国産業連盟(CBI)は2021年6月14日、政府に対し、熱供給と運輸部門の具体的な脱炭素化プランを策定するよう求める声明書を発表した。この中でCBIは、英国内の企業が具体的に求めていることとして、(1)家庭用ボイラーの新設について2025年以降はすべて水素利用可能な設備の導入を義務付けること、(2)政府主導の電気自動車(EV)の新たな導入プラン策定、および国内に新たに7カ所のEV製造工場「ギガファクトリー」を設けること、(3)さらに、洋上風力の次期開発地点の決定や水素製造および炭素回収・貯留(CCS)技術のビジネスモデルの在り方の策定等、グリーンテクノロジーの発展を促すこと、などを挙げた。
2021.06.13
スイス:国民投票でCO2削減法を僅差で否決
地元紙などによると2021年6月13日に行われた国民投票の結果、CO2削減法が僅差で否決され、今後の気候変動政策の実施が困難となった。報道によると投票率は約60%で、反対が51.6%、賛成が48.4%である。政府の提案では2050年のカーボンニュートラルを達成するため、2030年までに年間のCO2排出量を1990年比で50%を削減する計画で、3/4は国内で削減し、残る1/4は海外の削減活動を通じて実施する計画となっていた。CO2削減法では様々な削減方策が含まれ、航空券(1回の搭乗当たり30~120フラン(約3,700~約1万5,000円))や自動車燃料(ガソリンへの課税を1リットル当たり0.12フラン(約15円)へ引き上げ)への課税強化などが含まれ、反対派は燃料価格の高騰を訴えていた。投票結果は地域によって異なり、バーゼル、チューリッヒやジュネーブの都市部で賛成が上回ったが、その他の地域では反対が多数を占めた。
2021.06.11
中国:発改委、太陽光・陸上風力発電案件を国家補助対象から除外
国家発展改革委員会は2021年6月11日、「再エネ国家補助政策に関する通知(通達)」を発表した。それによると、2021年以降における太陽光(一部例外を除く)、陸上風力発電の新規申請案件は、中央政府補助の対象外となり、各所在地における石炭火力の基準売電価格に基づいた卸売か市場取引が求められる。一方、新規の洋上風力、太陽熱発電案件の売電価格は、地方政府によって設定される価格水準か競争入札により決定される。また、中央政府は今後、太陽光・太陽熱、陸上・洋上風力発電などの再エネ産業の発展支援に向けて対象を絞った支援政策を導入するよう地方自治体に奨励するとの見通しを示している。
2021.06.10
米国:エネルギー省長官がユッカマウンテンは最終処分場にならないと明言
米国エネルギー省(DOE)のグランホルム長官は2021年6月10日、訪問先のネバタ州で、同州のユッカマウンテン(YM)が使用済燃料の最終処分場になることはないと明言した。同氏はまた、YMに代わる適地を探すのは、放射性廃棄物に関する政策を抜本的に検討する目的でオバマ政権時に設置された委員会の責務であるとも語った。YMを最終処分場とすることは、2002年に当時のW・ブッシュ政権(共和党)によって一度決定されたが、その後のオバマ政権(民主党)が、同決定はネバダ州や自治体および住民の同意を軽視したプロセスで進められたとして非難し、2011会計年度以降にYM関連に予算を付けなかったことで事実上白紙撤回された。その後のトランプ政権(共和党)は関連予算を計上したこともあったが計画を前進させることはできず、現在のバイデン大統領(民主党)は就任前から一貫して同計画に反対の立場を示している。
2021.06.09
中国:国家能源局と国際再生可能エネルギー機関(IRENA)覚書締結
国家能源局(日本の資源エネルギー庁に相当)は2021年6月9日、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)とのオンライン会議で、エネルギー転換分野における協力覚書(MOU)を締結したと発表した。国家能源局長である張建華氏は今回のMOUについて、双方のエネルギー転換分野での協力をさらに強化していく上でのマイルストーンであり、世界のエネルギー転換に多くの知恵と力をもたらすとのコメントを発表した。一方、IRENAのカメラ事務局長も、中国はエネルギー転換促進における主要なプレーヤーであり、中国のカーボンニュートラル目標達成に向けてIRENAとして支援を行うとともに、他の国々に対して中国の経験を共有することは意義があると語った。
2021.06.09
カナダ・米国:TCエナジー社、キーストンXLパイプラインの建設を断念
カナダのTCエナジー社は2021年6月9日、カナダ・アルバータ州の油田と米国中西部経由でメキシコ湾岸の製油所を結ぶ「キーストンXLパイプライン(KXL)」プロジェクトについて、「選択肢を総合的に検討した結果、パートナーであるアルバータ州政府と協議の上、KXLプロジェクトを断念した」と発表した。同社は、規制当局、利害関係者および先住民族グループとの協議を継続し、KXLプロジェクトからの安全な撤退を確保するとした。KXLについては、バイデン大統領が気候変動などの環境面の懸念から就任初日(2021年1月20日)に、トランプ前大統領が承認した建設認可を撤回し、建設活動が中断するなど、計画提案から13年にわたって建設の是非をめぐる論争が続いていた。また、同社は2021年5月に、KXLプロジェクトのとん挫を理由に22億ドルの減損処理を行うと発表していた。
2021.06.08
フランス:送電事業者、2050年電源構成に関するパブコメ結果を発表
フランスの送電事業者RTEは2021年6月8日、2050年長期需給見通しにおける電源構成シナリオに関するパブコメの結果をまとめた報告書を発表した。今回のパブコメでは、「2050年カーボンニュートラル」を前提とした「100%再エネ(原子力新設なし)」および「再エネ+原子力新設」のシナリオが4件ずつ提示され、2021年1~3月にかけて4,000件近くの意見が寄せられた。これを受け、今回の報告書で提示された新しいシナリオは、(1)2050年に再エネ100%達成、(2)分散型電源強化(特に太陽光)、(3)陸上・洋上風力強化、(4)2050年に原子力と再エネ50%ずつ、(5)再エネ+原子力(EPR8基新設)、(6)再エネ+原子力(EPR14基新設)の計6件となった。これらのシナリオは今後、「技術」、「経済」、「環境」および「市民生活への影響」という4つの観点からの検討がさらに進められ、シナリオ確定版を含む2050年長期需給見通しは、2021年秋頃に発表の見込みである。
2021.06.07
インドネシア:政府、2060年ネット・ゼロに向けた取り組み概要を発表
2021年6月8日付の現地紙によると、インドネシア・エネルギー鉱物資源省のArifin Tasrif大臣は6月7日に開催されたウェビナーで、2060年までにエネルギー分野における温室効果ガス排出ネット・ゼロを実現するための長期目標を明らかにした。それによると、老朽火力発電所について2058年までに石炭火力を、2054年までにコンバインドサイクル発電所を廃止するとしたほか、送配電設備の整備、EV、電動バイクの導入にも引き続き取り組むとしている。
2021.06.03
ドイツ:緊急気候保護プログラムで再エネ拡大目標を引き上げる方針
2021年6月3日付の報道によると、ドイツ政府は「緊急気候保護プログラム2022」の草案を発表し、今後3週間以内に2030年までの再エネ拡大目標の引き上げを決定する方針である。2030年までの再エネ拡大目標について現行法では、陸上風力は7,100万kW、太陽光が1億kWと設定されているが、それぞれ9,500万kWと1億5,000万kWに増加させると見られる。また、当該プログラムには建物のエネルギー効率化や電気自動車を購入した者を対象としたプレミアム付与等の施策も含まれ、約80億ユーロ(約1億700万円)が支出される計画である。
2021.06.02
中国:田湾原子力発電所6号機、商業運転開始
中国核工業集団有限公司(CNNC)の子会社である中国核能電力股份有限公司(CNNP)は2021年6月2日、江蘇省連雲港市の田湾原子力発電所6号機(CNP1000、出力約112万kW)が商業運転を開始したと発表した。6号機は既に運開している5号機と同様、第2世代のCNP1000を採用している。運転中の同発電所1~4号機はロシアのVVER1000(106~112万kW)、また建設・計画中の同7~8号機はVVER1200(120万kW)で、7号機は2021年5月に着工している。CNNPは併せて、海南省昌江の小型モジュール炉(SMR)「玲龍一号」実証炉(ACP100、12万5,000kW)プロジェクトが当局から批准されたことも明らかにしている。
2021.06.02
米国:PJM電力市場、3年ぶりの容量市場オークションで価格が64%低下
PJM電力市場で2018年以来3年ぶりに容量市場オークションが実施され、PJMは2021年6月2日に落札結果を公表した。2022~2023年の容量市場の落札価格は50ドル/MW日となり、前回2018年の140ドル/MW日と比較して64%低下した。低下の主な原因は、需要予測の低迷と見られる。PJMではこれまで、最低入札価格制度(MOPR)の適用拡大に関するFERCとの議論が長引き、今回のオークションが3年ぶりの実施となった。電源別では、原子力:446万kW増加、天然ガス火力:341万kW増加、太陽光:94万kW風力、風力: 31万kW増加、石炭火力:818万kW減少となった。今回のオークションにおいて、州から支援を受けた電源に対するMOPRが初めて適用された。PJMは「MOPRが今回の落札結果に与えた影響については若干程度あるものの、具体的な電源に対する影響については議論できない」とコメントしている。
2021.06.02
米国:元FERC委員、脱炭素化へ向け組織的電力市場の全国拡大を要請
9名の元FERC委員(元委員長を含む)は2021年6月2日、国内すべての地域で卸電力市場が運用されるよう求める書簡をFERCに送付した。米国では現在、北東部、中部大西洋岸、中西部、テキサス州、カリフォルニア州において、独立系統運用事業者(RTO/ISO)が卸電力市場を運営しているが、西部や南東部の地域では垂直統合型の電力供給体制が維持されている。書簡の中で元FERC委員は、組織的市場はすべての市場参加者に対し系統アクセス等の公平な競争条件を提供し、再エネの出力変動にも地域大での対応を可能にする点において重要な役割を果たしており、電力部門の脱炭素化を進めるためには不可欠であると述べている。
2021.06.01
ドイツ:脱石炭入札で落札した廃止予定の発電所を予備力等として活用
ドイツの連邦系統規制庁(BNetzA)は2021年6月1日、同国の脱石炭入札により廃止が予定されるWestfalen発電所ユニットE(石炭火力、約76万kW)およびHeyden発電所4号機(同約88万kW)について、系統安定のための回転形位相調整機および予備力として今後も活用することを発表した。両発電所は2020年廃止分として落札しており、Westfalen発電所ユニットEは当初から回転形位相調整機へ転換される一方、Heyden発電所4号機は2022年9月までの間は系統への予備力を供給するためのリザーブ電源として活用され、その後、回転形位相調整機へ転換される予定。回転形位相調整機として活用する際には石炭の燃焼を伴わないことから、同国が目指すGHG削減目標の達成に貢献できるとしている。同国では遅くとも2038年末までの脱石炭が法制化され、この実現のため、廃止に対する補償を受ける発電所を選定する入札が実施されているが、落札した発電所について、TSOの要請に基づきBnetzAが安定供給のために必要と判断した場合、リザーブ電源として確保されることとなっている。
2021.05.31
中国:電力分野で過去最大規模となるIPO公募を実施
水力発電最大手の中国三峡集団公司の傘下にある中国三峡新エネ集団公司は2021年5月31日、上海証券取引所においてIPO(新規株式公開)公募を実施した。市況公告によれば227億元(約3,850億円)で、中国の電力分野において過去最大規模のIPOであり、購入申請は1兆3,000億元(約22兆1,000億円)に達したとみられている。三峡新エネ集団は、風力・太陽光発電を中心に国内30の省・地域で事業展開しており、2020年末時点での設備容量は1,500万kWを超えるとされている。同社は、今回の調達資金のうち約180億元(約3,060億円)を洋上風力プロジェクト7件の開発費用に充てる予定である。
2021.05.31
フランス:政府、第1四半期の風力および太陽光発電の累積設備容量を発表
フランスの環境移行省は2021年5月31日、2021年第1四半期の風力および太陽光発電に関する報告書を発表した。風力発電は、同期間に系統連系された設備容量が21万kW(前年同期比19%減)となり、2021年3月末時点の累積設備容量は1,793万3,000kW(前年末比1%増)に達した。2020年4月21日に公表されたエネルギー多年度計画(PPE)に関する政令では、2023年末の導入目標が2,410万kWと定められている。一方の太陽光発電は、系統連系された大型太陽光発電設備の比率が高かったことなどにより、新規設備容量は54万6,000kW(前年同期比177%増)、2021年3月末時点の累積設備容量は1,152万6,000kW(前年末比5%増)に達した。PPEに関する政令では、2023年末の導入目標が2,010万kWと定められている。また、2021年第1四半期の発電電力量については、風力発電は国内電力消費量の8.4%に相当する118億kWh、太陽光発電は同消費量の1.4%に相当する20億kWhとなった。
2021.05.29
韓国:新古里4号機、火災発生で稼働停止
2021年5月29日付の現地紙によると、同日午前9時28分頃、蔚山市蔚州郡の新古里原子力発電所4号機(140万kW)のタービンで火災が発生し、自動停止した。1時間後の午前10時29分頃には火が消し止められ、火災による放射能の漏出は回避されたと見られる。原子力安全委員会は、タービンが停止した原因について「発電機に付属する機器(励磁機)の火災」と推定しているが、調査団を現地へ派遣して正確な火災原因を調査し、再発防止策を運転者の韓国水力原子力発電に確認するとしている。同号機は2019年8月に運開し、UAEに輸出したAPR1400と同じ炉型である。
2021.05.28
ノルウェー・ドイツ:ノルウェーとドイツを結ぶ国際連系線が運用開始
エネルギー情報誌は2021年5月28日、ノルウェーとドイツを結ぶ国際連系線の運用開始に伴うセレモニーが、両国首相が参加してオンラインで開催されたと報じた。NordLinkと呼ばれる送電線は長さ623km、送電容量140万kWの直流送電線で、交流変換後にノルウェー、ドイツの電力系統と接続する。本事業はノルウェーのTSOであるStatnett SFが50%出資し、残りの50%はドイツとオランダで送電事業を行うTenneTとドイツの開発銀行KfWのJVが出資している。NordLinkの運用開始により、水力が豊富なノルウェーと風力発電が多いドイツ北部を連系することになり、再生可能エネルギーの活用が促進されることになる。ノルウェーはオランダと70万kWの連系線と、デンマークとは4本の連系線(合計容量170万kW)と接続しており、2021年後半には英国とも接続する予定である。StatnettのHilde Tonne CEOは、今回の送電線接続により、我々は欧州における再エネのハブとなり、さらに洋上風力の活用が可能になると話している。
2021.05.26
フランス:Total、水素モビリティ事業会社Hysetcoの株式20%を取得
フランスの石油大手Totalは2021年5月26日、トヨタ自動車、パリの電気タクシー会社STEP、産業ガス製造会社Air Liquide、投資会社Kourosが出資するフランスの水素モビリティ事業会社Hysetcoの株式20%を取得したことを発表した。取得金額は明らかにされていない。同社は2015年に設立され、フランスのパリを含むイル・ド・フランス地域圏において「Hype」というブランドの水素タクシーや水素ステーション等を運営している。同社はパリ市内で約700台のタクシーを保有しており、現時点ではその多くはディーゼル車であるが、これらをパリ五輪が開催される2024年までにすべて水素自動車へ入れ替えることを計画している。Totalは今回の出資を通じて水素モビリティを加速していくとしており、具体的には、自社が保有するサービスステーション内にHysetcoの水素ステーションを設置するなどして水素供給インフラの拡充を図るとしている。
2021.05.26
米国:NERC、2021年夏季は一部の地域で電力不足のリスクがあると警告
北米電力信頼度協議会(NERC)は2021年5月26日、2021年夏季信頼度評価(2021 Summer Reliability Assessment)を発表した。本レポートにてNERCは今夏(6~9月)、米国西部、テキサス州、ニューイングランド地域、および中西部の一部地域において、電力不足が発生するリスクが高まっていると警告している。中でもカリフォルニア州は、ピーク需要発生時や太陽光発電の出力が低下する夕方の時間帯は電力不足のリスクが高いとしている。また、風力発電設備が大量に導入されているテキサス州では、風力出力が低下する時間帯の供給力確保が必要であると指摘している。このほかニューイングランド地域およびMISO管轄エリア(米中西部)は、ピーク需要に対して十分な予備力を確保しているが、異常気象が発生した場合は、周辺地域からの電力融通が必要になる可能性があるとしている。
2021.05.24
米国:天然ガス火力の発電電力量が減少
米国エネルギー情報局(EIA)は2021年5月24日、2021年1~4月の天然ガス火力による発電電力量を公表し、2020年の同時期と比較して7%の減少となった。冬場が低気温であったことから同時期の米国全体の発電電力量は6.6%の増加となったものの、天然ガス価格の上昇と再エネとの価格競争激化により、天然ガス火力の発電電力量は2017年以来の減少となった。一方、2020年春からの天然ガス生産量減少と冬場の低気温により、この期間の天然ガス価格は2.83ドル/MMBtu(ヘンリーハブ価格)と上昇したため、相対的に石炭火力の競争力が高まったことで、石炭火力は同時期で前年比40%の増加となった。EIAは天然ガス火力による発電電力量の減少は2022年まで続くとし、2021年全体では対前年比9.1%の減少、2022年はさらに0.7%の減少を予測している。
2021.05.21
パキスタン:カラチ原子力発電所2号機、商業運転を開始
パキスタンのイムラン・カーン首相は2021年5月21日、カラチ原子力発電所2号機(110万kW)の商業運転開始を公式に発表した。同号機は中国が開発した「華龍1号」型(HPR1000)原子炉で中国国外向けの初号機であり、中国核工業集団有限公司(CNNC)が建設にあたってきた。発表はパキスタンと中国を通信回線で結んで開催された両国の外交関係樹立70周年式典で行われ、カーン首相は中国との関係強化にも言及した。同発電所では同型の3号機(110万kW)が建設中であり、パキスタン原子力委員会は2022年初め頃には発電を開始できるとの見方を示している。
2021.05.21
中国:各省別の2021年のRPS目標を発表
国家発展改革委員会(NDRC)と国家能源局は2021年5月21日、同年における各省別の年間消費電力に占める再エネ発電電力の消費義務比率(再エネ消費割合基準=RPSに相当)を公表した。消費義務比率は「再エネ発電全体」、「水力以外の再エネ発電」の2項目に分けられ、それぞれ「最低値」、「奨励値」という数値目標が提示されている。これは、水力資源の賦存が乏しい地域に対する配慮とともに、水力資源が豊富な地域に対しては、水力以外の再エネ電力の普及を促す目的があるものとみられている。各省は電力市場取引による目標達成も可能で、最低値を達成した省にはインセンティブが与えられる。
2021.05.20
中国:全国大の炭素排出権取引開始に向け詳細規定を発表
現地紙は2021年5月20日、生態環境部(日本の環境省に相当)が全国大の炭素排出権取引に関する詳細規定を発表したと報じた。中国政府は2021年から全国大での炭素排出権取引を開始する予定であり、同年2月にはそのベースとなる「全国炭素排出権取引管理規則(試行版)」が施行されている。今回、制定された詳細規則は、「登録管理規則(試行)」、「取引管理規則(試行)」、「決済管理規則(試行)」の3規則である。生態環境部は3規則の発表とあわせて、取引機関および登録機関が設立されるまでの当面の期間、取引は上海環境エネルギー取引所が、登録は湖北炭素排出権取引センターが代行することも示した。これら詳細規定の完成を踏まえて、生態環境部は2021年5月26日、全国大の排出権取引を6月末までに開始する意向を明らかにしたと現地有力紙は報じている。
2021.05.20
米国:カリフォルニア州、ライドシェア事業者にEV導入を義務付ける規則を承認
カリフォルニア州大気資源局(CARB)は2021年5月20日、UberやLyftなどのライドシェア事業者に対し、電気自動車(EV)の導入を義務付ける米国初の規則「クリーンマイル基準(Clean Miles Standard)」を承認した。規則は、交通機関からの二酸化炭素の排出量を減らすための施策の実施を定めた州法(SB1014、2018年制定)に基づき導入された。ライドシェア事業者は総走行距離に占めるEV走行分の割合を、実施初年度の2023年に2%、2030年には90%と段階的に引き上げていく必要がある。すでにUberやLyftは将来、米国内のすべての車両をEVに切り替えることを表明している。
2021.05.19
中国・ロシア:VVER-1200の2サイト同時着工セレモニーに中ロ首脳が参加
中国政府は2021年5月19日、習近平国家主席とロシアのプーチン大統領がロシア型VVER-1200型原子炉(120万kW)を採用する田湾原子力発電所(江蘇省、連雲港市)7、8号機と徐大堡原子力発電所(遼寧省、葫蘆島市)3、4号機のオンライン着工セレモニーに参加したと明らかにした。習氏は、品質の高い原子力発電開発を継続する前提条件は安全第一との方針を強調した上で、技術革新やデジタル化と融合した原子力利用は、環境保護、気候変動などの分野で期待され、ロシアとの戦略的協力の下、両国による低炭素プロジェクトの推進は、グローバルな持続可能開発目標達成の上で建設的役割を果たすとコメントした。プーチン大統領は、両国の善隣友好協力条約調印20周年を迎え、原子力の平和利用はカーボンニュートラルという気候変動目標の対応策でもあり、中国と協力してプロジェクトの建設を円滑かつ安全に進めることに自信を持つと強調した。
2021.05.18
フランス:Engie、2045年カーボンニュートラル他中長期目標を発表
エネルギー大手Engieは2021年5月18日、同年2月に示された予定通りに同社の中長期的な戦略ロードマップならびに今後3年間(2021~2023年)の経営目標・活動計画について発表した。まず、大きな方向性として2045年までのカーボンニュートラル達成や、シンプルかつ効率的な組織を目指し現在25ある事業部門を4つに集約すること、顧客ソリューション部門を分社しマルチテクニカルサービス分野(空調・電気設備関連工事、建物改修、ファシリテーションマネージメント等)のリーディングカンパニーBrightを新設すること、再エネの年間導入目標を現在の平均300万kWから2022~2025年には400万kW、2026~2030年には600万kWと大幅に引き上げること等の目標が掲げられるとともに、今後3年間の具体的な目標としては、90億~100億ユーロ(1ユーロ=約130円)の資産売却、150億~160億ユーロの設備投資(再エネとネットワークが約70~80%を占める)、業務の効率化による6億ユーロのEBIT増等が示された。さらに、同社は未来のエネルギーのフロントランナーを目指すとして、2030年までに400万kWのグリーン水素製造設備導入をはじめ、ネットワークからモビリティまで広範囲の水素関連の事業開発も進める構えである。
2021.05.18
米国:気候変動担当補佐官、再エネ拡大には既設原子力運転継続が不可欠と説明
米国マッカーシー気候変動担当大統領補佐官は2021年5月18日、コロンビア大学主催の会議において、「再エネを今後さらに拡大するための現実的な方向性を見定めるには時間が必要であり、環境・安全性能が認められている限り、重要なベースロード電源である既設原子力発電所を継続して活用していくことが必要不可欠である」と述べた。気候変動担当の大統領補佐官と大統領特使は、2021年1月のバイデン政権発足で新たにホワイトハウスに設けられたポストである。気候変動対策の諸課題について、マッカーシー補佐官が国内担当、元国務長官のケリー特使が外交担当として主導している。同補佐官の上記発言は、2021年5月6日にエネルギー省(DOE)のグランホルム長官が、既設原子力発電所に対する連邦政府による支援策検討を表明したことに関する質問への回答としてなされたものである。
2021.05.17
フィンランド:TVO、オルキルオト3号機の完工条件でアレバ側と合意
フィンランド電力大手TVOは2021年5月17日、オルキルオト原子力発電所3号機(EPR、172万kW)建設プロジェクトの完工条件について、アレバ・シーメンスのコンソーシアムと合意に達したと発表した。同号機は2021年3月に燃料装荷を完了しており、2021年10月に送電網に接続、2022年2月に商業運転を開始する予定である。今回の合意では「アレバが(建設費用として)約6億ユーロ(約800億円)を補填する」、「2021年7月から2022年2月末までに生じた費用はそれぞれが自己負担する」、「2022年2月末までに完工しない場合は、コンソーシアが遅延日数に応じた遅延補償金をTVOに支払う」としている。TVOによると、2021年5月末までに最終合意書が締結される予定で、その後、合意書の発効には一定の条件が満たされる必要があるとしている。同号機の建設は2005年より固定価格でのターンキー契約に基づき進められているが、建設遅延とコスト超過に関してTVOとコンソーシアム間で訴訟に発展し、2018年に「コンソーシアムが建設の遅延補償金として4億5,000万ユーロ(約600億円)をTVOに支払う」等の和解が成立していた。
2021.05.14
台湾:経済部、輪番停電のきっかけはヒューマンエラーと発表
現地紙は、電気事業を管轄する経済部が2021年5月14日午後に記者会見を開催し、13日の輪番停電の原因となった台湾電力の変電所トラブルは、同社職員のヒューマンエラーであると発表したと報じた。記者会見の席上で経済部の王部長は今回のトラブルについて、南部・高雄市の変電所で台湾電力の職員がスイッチを間違えたために発生したとの初期調査結果を明らかにした。また、台湾電力は停電の影響を受けた需要家への補償金について、その総額が当初の予想である2億台湾ドル(約7億円)から4億7,000万台湾ドル(約16億5,000万円)に膨らむとの見通しを明らかにした。補償金支払いは、需要家の電気料金請求額から差し引く形で行われる予定である。
2021.05.14
アジア:アジア開発銀行、原子力発電開発には融資しないとの政策文書案発表
2021年5月14日付の報道によると、アジア開発銀行(ADB)は、原子力発電には融資しないとする政策文書のドラフトを発表した。「アジア太平洋における低炭素移行支援に関するエネルギー政策」と題するドラフト文書では、「原子力発電は、低炭素ベースロード電力を供給できるが、社会的受容性、核拡散リスク、廃棄物管理、安全性の問題、高い投資コスト、長期にわたる準備・建設期間など、多くの障壁に直面している」とし、「同障壁の結果、ADBがこの技術を支援することを途上国の加盟諸国から強く求められていない」と結んでいる。
2021.05.14
ポーランド:エネルギー法改正、需要家保護、スマートメーター導入促進へ
気候省は2021年5月14日、上院でエネルギー法改正案が可決されたことを明らかにした。同改正法では、電力、ガス、熱供給における需要家保護が優先されることが明記された他、エネルギー貯蔵の開発、分散型エネルギーと再生可能エネルギー源の開発のための包括的な解決策をもたらすことを目的としている。また、配電事業者に対して、2028年末までに最終需要家の80%にスマートメーターを設置するという目標も記載された。クルティカ気候相は、1,300万人の最終需要家に対してスマートメーターを設置する場合の経済的利益は、15年間で約113億ズロチ(約3,400億円)に達するという試算があり、導入コストよりもメリットが高いことを説明している。今後、ポーランドでは再エネ導入量を増やすため、最終需要家(プロシューマ)の役割に期待が寄せられており、EU内でも遅れてきたスマートメーター導入が必須とされている。
2021.05.14
ドイツ:Uniper、石炭火力発電所Datteln4号機の廃止前倒し検討を公表
2021年5月14日付のエネルギー情報誌によると、ドイツのエネルギー事業者Uniperは連邦政府が脱石炭期限に設定している2038年よりも前倒しで同社の石炭火力発電所Datteln 4号機(発電設備容量110万kW)の廃止を検討することを公表した。同機は地域の反対等で着工・建設が遅れ、当初の運開予定から約10年遅れで2020年5月に運開したばかりの石炭火力発電所であり、同国最後の石炭火力発電所と称される。同社CEOのMaubach氏によると、「新政権が脱石炭加速を望む場合、利害関係の公平なバランス模索に向け、我々はいつでも議論に応じる準備がある」と、緑の党の政権入りが濃厚であることなどを受け、廃止前倒し検討に応じる姿勢を示している。ドイツ政府は2021年5月12日、気候保護法を改正し、カーボンニュートラル達成期限を5年前倒して2045年とすること、また、2030年の1990年比GHG削減目標を55%から65%に引き上げ、さらに2040年のGHG削減目標を88%に新たに設定することを閣議決定した。気候関連のシンクタンクE3Gによると、この2030年目標(65%)達成に脱石炭は不可避であり、事実上、脱石炭期限を2038年から2030年に前倒すことに相当する。
2021.05.13
英国:政府、エネルギー関連の世論調査結果を公開
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は2021年5月13日、同省が四半期ごとに実施している世論調査の結果を公開した。今回の調査は、英国のエネルギー問題に関して国内の16歳以上、4,029人を対象に2021年3月、初となる完全オンライン形式で実施された。調査結果によると、気候変動問題に関しては80%が危機意識を持っていると回答した。エネルギー価格の高騰など、エネルギーセキュリティーについて懸念していると答えたのは82%であった。再エネ開発に関しては79%が支持すると回答、太陽光が84%と最も高く、続いて洋上風力76%、潮力・波力75%、陸上風力70%、バイオマス67%となった。原子力については38%が支持、17%が反対を示した。シェールガス開発に関しては23%が賛成、反対は36%であった。炭素回収・貯留技術(CCS)について65%が知っていると答え、知っていると答えた人のうち65%が開発を支持すると答えた。エネルギー小売のスイッチングについては71%(1年以内:26%、1年以上前45%)が行ったことがあると答えた一方、23%は一度も行ったことがないと回答した。
2021.05.12
米国:バイデン氏、サイバーセキュリティ強化の大統領令に署名
バイデン大統領は2021年5月12日、大手石油パイプライン(Colonial Pipeline)がサイバー攻撃を受けたことに鑑み、サイバーセキュリティ向上と連邦政府のネットワーク保護を目的とした大統領令に署名した。同大統領令は、サイバーセキュリティ対策の近代化、米国政府と民間企業間の情報共有の改善、およびサイバー事象発生時の対応能力の強化を目的とするもので、政府と民間企業が共同で議長を務める「サイバーセキュリティ安全審査委員会」(Cybersecurity Safety Review Board)を設置し、重大なサイバー事象が発生した場合には、事象の分析とサイバーセキュリティ向上のための提言を行うこととした。私営電気事業者の業界組織であるエジソン電気協会(EEI)は同日、同大統領令を支持する声明を発表した。
2021.05.12
米国:米国初の大規模洋上風力発電事業を連邦政府が承認
エネルギー情報誌は2021年5月12日、連邦政府が米国で初となる大規模洋上風力発電事業「Vineyard 1(発電出力:80万kW)」の実施計画を承認したと報じた。デンマークのCopenhagen Infrastructure PartnersとスペインのIberdrolaの米国子会社が共同で開発を進めてきた同事業は、マサチューセッツ州の入札で事業選定を受け、連邦政府の環境影響審査が進んでいた。しかし、トランプ前政権下で2019年8月、補完資料の提出を要請され、審査手続きが遅れていた。バイデン政権は2030年までに洋上風力3,000万kWの導入を目標とすることを明らかにし、連邦政府の審査手続きを迅速化することを約束している。一方で、漁業者団体は今回の事業承認を受けて声明を発表し、これまでヒアリングなどで要望してきた環境への影響を抑制するための方策がほとんど反映されていないとして、環境審査を実施した海洋エネルギー監督局(BOEM)を批判している。
2021.05.11
ベトナム:出力抑制により民間再エネ発電事業者の経営が悪化
2021年5月11日付の現地紙によると、ベトナムで系統安定を理由とする電源の出力抑制により、民間の再エネ発電事業者の経営が悪化しており、今後もその傾向が継続する見通しである。一例としてシンガポール系企業のSinergy社は、総出力の20%減で運用していると述べている。2021年1~4月に出力抑制された再エネ(太陽光・風力)電力量は計4億7,000万kWhにのぼり、年末までに計17億kWhに膨らむ見通しである。ベトナム国内における太陽光発電の導入量は2021年5月時点で総発電設備の30%(約1,700万kW)を占め、正午の総発電電力量の40~60%に相当する。
2021.05.08
中国:電力スポット取引市場の第2次パイロット実施省を選定
現地紙は2021年5月8日、政府当局が電力スポット取引市場の第2次パイロット実施省を選定したと報じた。それによると、国家発展改革委員会と国家能源局は2021年4月26日付で「電力スポット市場パイロットの更なる取組みに関する通知」(第336号)を発行、その中で上海、江蘇、安徽、遼寧、河南、湖北の各市・省をスポット市場の第2次パイロット実施省(直轄市)とすることを示した。中国政府は2017年8月に第1次パイロット実施省として広東省、山東省など8省を指定している。今回の通知では、上海市、江蘇省、安徽省に対して、長江デルタ地域としての連携強化を求めるなど、広範な市場形成も視野に置かれている。
2021.05.06
フランス:EDF、新型EPR建設に係るFS報告書を政府に提出
2021年5月6日付の報道によると、大手エネルギー企業EDFのレヴィ会長がフランス政府に対し、新型EPR原子炉(EPR2)6基の建設に係るFS報告書を提出した。同報告書は、政府が原子炉新設要否の判断材料の一つとしてEDFに提出を求めたものである。政府は2023年に予定されているフラマンビル原子力発電所3号機(EPR、約163万kW)の運転開始以降に新設要否の判断を下すとしている。EPR2は、EDFが開発を進めているEPRの改良版であり、設計の簡素化、建設工法の改善、設備の標準化等を図っている。
2021.05.05
ドイツ:連邦政府、温室効果ガス排出削減目標を引き上げる方針
2021年5月5日付の報道によると、連邦政府は気候保護法を修正し、温室効果ガス削減目標を引き上げる方針である。2030年の温室効果ガス排出削減目標を現在定められている1990年比55%から65%に引き上げ、2040年までに88%とした上で、さらにカーボンニュートラル達成を2050年から2045年に前倒しするとしている。2021年3月24日に連邦憲法裁判所は、現行法は不十分であり、2030年以降の温室効果ガス排出削減目標について詳細を明らかにする必要があるとの判断を下していた。
2021.04.29
米国:イリノイ州知事、原子力発電所への支援法案を発表
イリノイ州のプリツカー知事(民主党)は2021年4月29日、エクセロン社が同州内で運営し、2021年中に早期閉鎖する方針を示しているバイロン、ドレスデン両原子力発電所に対し、期間を区切り補助金を支払うことを含む法案「Consumers and Climate First Act」を発表した。本法案は2050年までに州内のエネルギーを100%クリーンなものとすることを目標としており、原子力をそのための手段として位置付けている。法案に「(補助金の支払いは)短期間で、かつ必要性が明確に証明されたものに対してでなければならない」と明記し、発電所の財務状況を確認するための独立監査を毎年受けることを条件に、2021年から2025年の間、バイロン発電所には1kWh当たり0.001ドル(年間換算で約1,900万ドル)、ドレスデン発電所には同0.0035ドル(同5,200万ドル)の補助金をエクセロン社に支払う内容となっている。
2021.04.27
中国:南方電網、2025年までにEV用充電インフラに4000億円の投資を予定
国有大手送配電事業者である南方電網有限責任公司は2021年4月27日、2025年までに電気自動車(EV)用充電インフラ向けに、M&Aを含めて251億元(約4,016億円)を投じる計画を発表した。同社はすでに充電スタンドは2020年度に1万3,000基を新設し、年度末時点で4万2,000基を所有しているが、今回の計画では2025年度末までに10倍近くに及ぶ38万基の新設を謳っている。
2021.04.27
韓国:政府、中長期天然ガス需給計画を改定
産業通商資源部(日本の経済産業省に相当)は2021年4月27日、天然ガスの中長期計画である「第14次長期天然ガス需給計画(2021~2034年)」を発表した。同計画は、都市ガス事業法に基づき2年ごとに策定が求められているが、同計画の更新は2018年4月以来で、電力需給計画と同様に2034年までを対象としている。今回の計画では、総天然ガス需要は基準ケースで2021年の4,559万tから2034年に5,253万tに達し、そのうち、発電用ガス需要は2,001万tから2,088万t(期間は同上)と総需要よりやや低い伸びが予想されている。需要増を踏まえて、西部の忠清南道・タンジン市に2025年の運開を目指して新規LNG受入基地の建設が計画されているが、その貯蔵容量の50%は競争促進の観点から、韓国ガス公社を通さない直接取引への優先的な割り当てについても触れられている。
2021.04.27
米国:ニュージャージー州、原子力発電所への支援策を3年間延長
ニュージャージー州の公益事業委員会(NJBPU)は2021年4月27日、州内で運転中のすべての原子力発電プラントに対して2022年まで適用することにしている「ゼロエミッション証書(ZEC)」を3年間延長することを承認したと発表した。ゼロエミッション電源としての対価を電気料金の中から受け取るこの制度は、セーラム1、2号機(PWR)とホープクリーク(BWR)の3基を対象に、2019年4月18日から2022年5月末まで適用されることとなっていた。今回承認された期間は2022年6月1日から2025年5月末であり、補助内容は現在と同じく、発電電力1kWh当たり0.004ドルで1基当たり年間最大約1億ドルの補助金が支払われる。3基を運営するPSEG社は同日、自社のホームページ上で、「NJBPUが全会一致で州最大のカーボンフリー電源を支援することを決定したことに満足している」とのコメントを発表した。
2021.04.23
中国:2大送配電事業者間の新規連系プロジェクトを着工
中国の2大送配電事業者である国家電網有限公司と南方電網責任有限公司は2021年4月23日、福建省と広東省における両社500kV基幹系統のBack To Back連系設備の着工式を開催した。この連系プロジェクトは新規500kV交流2回線(延長303km)と福建省に建設される交直変換所などで構成され、総投資額は32億元(約510億円)であり、2022年度中の運開を目標としている。プロジェクトの送電容量は200万kWであり、完成後の両社系統間の連系容量は、既存部分を含め500万kWに増加する。
2021.04.22
中国:習主席、気候変動サミットで環境政策について演説
中国政府は2021年4月22日、気候変動サミット(Leaders’ Summit on Climate、米国でオンライン開催)における習近平国家主席の演説内容を公表した。習氏は地球環境問題への対応が前例のない困難に直面しているとして、国際的に積極的な行動を取り、責任を持って人間と自然の共同体を構築するための協力が必要であると呼びかけた。さらに、自らが2020年に宣言した気候変動目標達成に向けて中国政府が現在、行動計画を策定中であり、地方政府や企業による目標の前倒し達成向けて支援を行っていく方針であることを明らかにするとともに、現行の5カ年計画(第14次五カ年計画:2021~2025年)期間中に石炭火力発電量の伸びに厳しい制約をかけ、次期5カ年計画(第15次五カ年計画:2026~2030年)にはそれを減少に転じさせるという新たな目標を示した。
2021.04.22
米国: 2030年までにGHG排出量半減の目標を発表
バイデン大統領は2021年4月22日、米国主催のオンラインで開いた「気候変動サミット」の中で、2030年までに米国の温室効果ガス(GHG)排出量を50~52%削減(2005年比)する目標を発表した。同目標は2050年のGHG排出実質ゼロを実現するための中間目標であり、米国のパリ協定復帰後の新たな国別削減目標(NDC)として、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局へ正式に提出する。パリ協定離脱前のオバマ政権下では、2025年までに26~28%削減(2005年比)としていた。私営電気事業者の業界団体であるエジソン電気協会(EEI)は「EEIの会員企業は、顧客が重視する信頼性や電気料金を損なうことなく、より多くのクリーンエネルギーをできる限り早く提供することに取り組んでいる。バイデン政権や議会と協力することで、クリーンなエネルギーへの転換とそれを取り入れた経済社会の実現に向け、最も効率的、安価、かつ信頼性の高い道筋をつけることできると期待する」との声明を出した。
2021.04.21
EU:2030年GHG排出量を55%減とすることで非公式合意
欧州議会およびEU理事会は2021年4月21日、EUの気候変動対策目標等を定めるEU気候法案について代表者間で合意に達したと発表した。同法案は、EUが2050年までにカーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)を目指すこと、および2030年のGHG排出量を1990年に比べて少なくとも55%削減すること等を規定している。現在のEUの2030年GHG排出削減目標は1990年比40%削減であり、この目標値引き上げが合意された。2030年のGHG削減目標に関しては森林等によるCO2吸収量も算入されるが、排出量自体の削減を促すため算入量に上限が設定される一方で、CO2吸収量拡大に向けた施策は推進するため、実質的には1990年比57%の削減が実現される見通しとなる。この他、GHG削減状況を監督するための独立科学諮問委員会を設置することや、2050年カーボンニュートラル達成に向けた産業別のロードマップ策定を推進すること、2023年に予定されるパリ協定に基づく全世界の実施状況確認後にEUの2040年目標を提案すること、2050年以降はカーボンネガティブ(CO2排出実質マイナス)に取り組むことなども合意された。同法案は今後、欧州議会、EU理事会の採択を経て成立する見通しである。
2021.04.21
米国:全米12州知事、バイデン大統領に2035年までのガソリン車販売禁止を要請
カリフォルニア州をはじめとする米12州知事は2021年4月21日、2035年までに温室効果ガスを排出する新車販売の禁止を求める書簡をバイデン大統領に提出した。知事らは書簡で、2035年までにすべての乗用車と小型トラックの新車をゼロエミッション車にするための基準設定、および進捗状況を監視するための中間目標の設定を要請している。また、2045年までにすべての中型車および大型車の新車販売をゼロエミッション車にするための基準設定とインセンティブの付与を求めた。この書簡に対して、民主党から11知事(メイン州、ロードアイランド州、コネチカット州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ノースカロライナ州、ニューメキシコ州、ワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州、ハワイ州)、共和党から1知事(マサチューセッツ州)が署名した。
2021.04.20
韓国:2021年10月からRPS義務供給比率が25%に上方修正
産業通商資源部(MOTIE、日本の経済産業省に相当)は2021年4月20日、再エネ利用基準(RPS)を上方修正した「新エネルギーと再生可能エネルギーの開発・利用・普及促進法」の一部改正法を公布した。同法改正により、RPSは現行の10%から25%に引き上げられるが、RPSの変更は、2012年の設定以来9年ぶりである。同法改正は、10月21日から施行される。
2021.04.20
オランダ:Uniper、オランダ政府の石炭火力段階的廃止法に対し提訴を示唆
2021年4月20日付のエネルギー情報誌によると、ドイツのエネルギー企業Uniperは、オランダ政府の2030年石炭発電廃止政策が企業に対して十分な補償を手当していないとして、エネルギー憲章条約(Energy Charter Treaty)に基づく国際仲裁手続きを行うことを示唆した。手続きが実行されれば、ドイツのエネルギー企業RWEがオランダ政府に対して行った同年2月の提訴に続き2例目となる。廃止政策の対象となるUniperの設備は2016年に運転開始したMaasvlakte3であり、40年間の稼働期間を前提としていた。廃止政策が可決された2019年12月当時、Uniperは「円満な解決策」を求めて政府へ書簡を送り、合意に至らなければ国際仲裁手続きの手段もあり得るとコメントしていた。
2021.04.20
英国:政府、第6期カーボン・バジェットの草案発表、2035年78%削減目標
英国政府は2021年4月20日、第6期カーボン・バジェット(2033~2037年)における温室効果ガス(GHG)排出削減量の草案を発表した。これによると、政府は諮問機関である気候変動委員会(CCC)の2020年12月の提案に沿い、2035年までに1990年比78%の排出削減を目標として定める方針で、2033~2037年における総排出量を9億6,500万トン(CO2換算)に抑える。政府は発表翌日(4月21日)にこの削減目標を法案として国会に提出しており、2021年6月までの成立を目指すとしている。
2021.04.19
スペイン:2050年カーボンニュートラル目標を含む気候変動法が成立
地元紙は2021年4月19日、気候変動法が下院を通過し、成立する見通しとなったと報じた。今後上院で審議されるが、成立はほぼ確実である。主な内容は2050年にカーボンニュートラルの達成、および達成のための中間目標などである。これらの目標は達成状況などにより5年ごとに見直すことになる。具体的には、2030年の温室効果ガス排出削減目標は23%、最終エネルギー消費に対する再生可能エネルギーの比率は最低42%(現状は20%)、電力供給における再エネ比率は現状の約40%を少なくとも74%まで拡大すると謳っている。また、2040年にはガソリンエンジンなど内燃機関による自動車の販売を禁止し、一定の人口を持つ自治体にはEV充電装置の整備など持続可能な運輸計画の策定を義務付けている。
2021.04.14
中国:2021年第1四半期の電力消費は前年比で大幅増加
国家能源局(NEA)は2021年4月14日、同年1~3月期の電力消費データを発表した。電力消費量は1兆9,219億kWh(うち3月は6,631億kW)で、2020年同期比で21.2%増(うち3月は19.4%増)となった。2020年1~3月期は新型コロナの影響で前年同期比マイナス6.5%と落ち込んでおり、今回は経済活動の本格回復によるものと見られる。分野別では、第1次産業、第2次産業、第3次産業および民生分野における電力消費量は2020年同期比でそれぞれ、26.4%、24.1%、28.2%、4.7%といずれも増加した。
2021.04.14
米国:テキサス州、2021年2月に続き電力需給が逼迫
テキサス州の独立系統運用事業者であるERCOTは2021年4月14日午後、同日夕方から夜にかけて需要が供給を上回ると予測されたため、需要家に対し節電を呼び掛けた。前日13日にも需給が逼迫し、電力価格は午後5時時点で一時的に2ドル(約220円)/kWh近くまで高騰した。しかし、14日は約4時間にわたる節電要請に需要家が応えたこともあり、電力価格は0.8ドル(約90円)/kWh程度に留まった上、同日午後9時に節電要請は解除された。翌15日も予備力低下が見込まれたが、節電の呼び掛けは見送られている。テキサス州は2021年2月にも寒波の影響で電力価格が高騰し、輪番停電が実施された。
2021.04.13
中国・ラオス:南方電網系企業、国際鉄道のラオス側区域への電力供給で契約
中国の送配電事業者大手である南方電網有限責任公司は2021年4月13日、同社傘下の南方電網雲南国際公司とラオス電力公社(EDL)との合弁企業であるラオス中国電力投資公司が、ラオス政府との間で中国・ラオス鉄道(China-Laos Railway)のラオス側区域への電力供給における特定事業権契約を9日付で締結したと発表した。南方電網は、両国の外交関係樹立60周年にあたって、両国の電力分野における相互協力を促進する一歩であると述べている。
2021.04.13
米国:DOE長官、クリーンエネルギー基準にインセンティブの組み込みを検討
エネルギー省(DOE)のグランホルム長官は2021年4月13日、バイデン政権が電気事業者に脱炭素電源を促すために連邦大で導入を検討しているクリーンエネルギー基準(CES:Clean Energy Standard)に、各州の目標達成を促すインセンティブを盛り込むことも考えられると述べた。バイデン大統領は2兆ドル規模のインフラ計画「米国雇用計画(American Jobs Plan)」の中でCESを提案しており、2022会計年度の予算案で、CESを支援するためにDOEの取り組みに19億ドルを要求した。民主党は、上院においてフィリバスター(法案に反対する議員から議事妨害)を受けることなく単純過半数(100議席中51議席以上)で可決できる財政調整措置をインフラ計画法案に適用することも検討している。同長官は「(上院で)CESが通過できるか、まだ分からない」としたうえで、同様のインセンティブの例として、オバマ政権が導入した教育改革プログラム(連邦政府が掲げる教育政策に対して最善の実施計画を提案した州にインセンティブが付与される)を挙げた。
2021.04.21
中国・サウジアラビア:国家電網、サウジでスマートメーター大量設置完了
現地専門メディアは2021年4月12日、国有送配電大手の国家電網有限公司がサウジアラビア国内で行うスマートメーター500万台と関連システムの設置工事が3月30日までに完了したと報じた。このスマートメータープロジェクトは、サウジアラビアの経済改革長期計画である「ビジョン2030」においてスマートグリッドとスマートシティの構築を実現するための重要な項目と位置付けられており、国家電網有限公司傘下の中国電力技術装備有限公司がこれを請け負った。また、通信関係は中国の通信大手である中興通訊(ZTE)が技術協力を行っている。当該プロジェクトは、設備の約3割を現地生産調達という条件のもとで2019年12月に契約(金額約11億ドル)が締結され、2020年2月に着工していた。
2021.04.21
ロシア:政府、気候変動対策に向けた戦略プログラムの策定へ
ロシア連邦政府のノバク副首相は2021年4月12日、連邦エネルギー省との年次総括会合で、政府が「新たなエネルギー」と呼ばれる戦略プログラムの策定を準備していることを伝えた。同プログラムは、ロシアの燃料エネルギー部門における気候変動問題への対応を示すものとなる。ノバク副首相は、「我々は今日、温室効果ガス排出の問題、またCO2排出の観点から燃料エネルギー部門の効率向上という問題を抱えていることを理解しており、我々はこれに真剣に取り組み、戦略プログラム『新たなエネルギー』の中で複合的なアプローチをもってこれを検討しなければならない」と述べた。
2021.04.12
コロンビア:2050年に向けてカーボンニュートラルを目指す
エネルギー情報サイトは2021年4月12日、コロンビアの環境・持続可能な開発省(Minambiente)が2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、公的および民間部門、市民社会における温室効果ガス(GHG)削減への取り組みを開始したと報じた。その中にはスペイン資本の石油・ガス大手レプソルや公社系の送電会社ISAなどが含まれる。同国は2020年11月に国別削減目標(NDC)を更新し、2030年までにGHG排出量をBAU シナリオと比較して51%削減する目標を設定した。これは同国が掲げる2050年までにカーボンニュートラルを達成するという長期目標に則ったものである。当初のNDCでは2030年までに少なくとも20%削減という目標が掲げられていたが、国際社会からの協力や支援もあり、目標引き上げが可能になったとされる。また、2050年の長期目標の達成については、隣国パナマと協力して取り組むとしている。
2021.04.09
アイルランド:2025年に石炭火力を停止し、洋上風力発電製造拠点に転換
エネルギー情報誌は2021年4月9日、アイルランドの大手電力事業者ESBが最後の石炭火力発電所を2025年に停止し、跡地を洋上風力発電の設備建設に活用、グリーン水素製造も検討すると発表したことを報じた。アイルランドで最大のMoneypoint石炭火力発電所(発電出力合計:91万5,000kW)は1985~1987年に運転を開始し、ピーク時には同国の25%の電力を供給したが、アイルランド政府は2025年までにすべての石炭火力を停止する方針を明らかにしている。ESBは政府の方針に沿って石炭火力を停止するが、Moneypoint石炭火力発電所は石炭受け入れのため水深の深い港湾を有していることから、発電所跡地を浮体式洋上風力発電の建設拠点として整備する計画で、ノルウェーの石油メジャーEquinorと共同で140万kWの洋上風力を設置する予定である。また、グリーン水素製造の拠点として運輸部門や産業部門への水素供給も検討する。アイルランドではESBの他にもEDF、Iberdrola、Shell、Totalなど多くの事業者が洋上風力発電事業を検討中である。
2021.04.08
英国:ナショナル・グリッド、2021年夏季需要想定を発表
英国の系統運用者であるナショナル・グリッドESO(NGESO)は2021年4月8日、2021年夏季の電力需要想定を発表した。これによると、送電線への負荷想定から見積られる今夏の電力需要は、最大電力が3,210万kW、最小需要は1,720万kW(夜間)であり、2020年夏季の実観測値(最大:3,150万kW、最小:1,620万kW)よりは高めの見通しとなった。NGESOは、新型コロナ感染蔓延による影響は続くとしながらも、ロックダウン時においても経済活動が続けられる状況にあることから、2020年3~6月のロックダウン時のような急激な需要減少はほぼ発生しないとみている。
2021.04.07
米国:財務省、再エネ税制優遇等を含む税制改革案を発表
米国財務省は2021年4月7日、バイデン大統領が発表したインフラ投資計画「米国雇用計画(American Jobs Plan)」の財源を説明する「メイド・イン・アメリカ税制(Made in America Tax Plan)」報告書を発表した。現行の法人税制度について、企業が生産や利益を海外移転させてしまうインセンティブが含まれており、また法人税収の減少が、インフラ、技術開発、およびグリーンエネルギーへの投資を妨げていると指摘している。この対策として、法人税率の引き上げ(現行21%から28%)、大企業の利益への課税強化などのほか、化石燃料への補助金を廃止し、クリーンエネルギーへの税制優遇措置の拡大を挙げている。同省の試算では、同補助金の廃止により今後10年間で税収が350億ドル以上増加するとの予想が示されている。
2021.04.06
アラブ首長国連邦:バラカ1号機、営業運転を開始
アラブ首長国連邦(UAE)の原子力公社(ENEC)は2021年4月6日、バラカ原子力発電所1号機(韓国製APR1400、140万kW)が営業運転を開始したと発表した。同発電所の建設は2012年7月に開始され、同号機は2020年8月の起動と系統接続を経て同年12月に定格出力に達していた。
2021.04.06
米国:ERCOT、大寒波下で相次いだ発電機停止の原因を報告
テキサス電力信頼度協議会(ERCOT)は2021年4月6日、同年2月にテキサス州で大寒波の下での広域停電を招いた、最大5,000万kW超に及ぶ発電機の停止について、州規制当局へ報告した。報告によると停止の原因は、気象条件:54%、気象条件以外を原因とする設備障害:14%、燃料供給支障:12%、送電設備の喪失と系統周波数の低下:それぞれ2%、計画内停止:15%であった。気象条件による停止は、火力発電所の制御系ラインや水配管の凍結、風力発電のブレードへの着氷、および太陽光パネルへの積雪等が原因として挙げられているほか、その他の設備障害として、タービン振動や制御システムの不具合も発生している。燃料供給支障は、天然ガス供給圧力の低下、石炭の凍結によるものであった。
2021.04.05
米国:EIA、2020年の年間エネルギー消費量が前年比7%減少と発表
米国エネルギー情報局(EIA)は2021年4月5日、米国の2020年の年間エネルギー消費量が前年比で7%減少したと発表した。主に新型コロナの影響を受けたものであり、同局が1949年にデータ収集を開始して以来、過去最大の前年比下落率となる。部門別では、商業用:7%、工業用:5%、家庭用1%と軒並みの下落であった。また、暖冬の影響で暖房用エネルギー消費が減少したため、燃料はバイオマス:16%、石油:11%、天然ガス:7%の低下となった他、旅行規制が強化されたことによって運輸部門の石油使用量も減少し、この分野でもジェット燃料:38%、自動車用ガソリン:13%、ディーゼル:7%の下落を記録した。

ページトップへ