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ごあいさつ

会長からのご挨拶

当調査会は2023年に創立65周年を迎えました。当調査会は、海外の電気事業に関する調査研究、電気事業に関する海外の関係機関、団体との交流及び協力等を行うことにより、我が国電気事業の健全な運営と発展に資するとともに、我が国の経済発展と国民生活の向上並びに国際協力の推進に寄与することをミッションとして、長きにわたり活動を続けてくることができました。これも会員会社の継続的なご支援と、職員のたゆまない努力の賜物であり、関係各位に心から感謝申し上げます。
さて、世界の電気事業を取り巻く情勢は大きな変革期の中にあります。気候変動問題の解決に不可欠な「脱炭素化」は、洋の東西を問わず、人類共通の最重要課題となっており、電力を含むエネルギー事業者は、その実現に向けて、上流から下流までさまざまな技術と方策を注ぎ込み、大きな役割を発揮しています。中でも、再生可能エネルギーや原子力発電の一層の利用拡大、水素エネルギーの開発と利用、化石燃料の脱炭素利用や、それらを可能とするネットワークの整備拡充、そして変化に応じた電力市場の整備が世界各地で急速に進められていることは、注目すべきことです。
一方、2022年2月に勃発したロシアによるウクライナ侵略は、世界のエネルギー情勢に激震を与えました。戦争は長期化し、混迷の度合いを強めています。世界有数の化石燃料の産地であり、原子力分野でも国際展開が著しいロシアのプレゼンスを、国際市場から排除する「脱ロシア」は我が国を含む西側諸国のエネルギー安全保障上も重要政策となっていますが、世界にはそれに同調しない国々も多く、引き続き世界のエネルギー需給は不安定な状況が続くと見られています。それは天然ガスをはじめとするエネルギー価格に反映され、各国の電力市場価格にも大きな影響を及ぼしています。
刻々と変化する世界情勢の下で、当調査会は、海外の電気事業者が何を優先課題と捉え、どのような取り組みを行っているのかを重点的に調査し、ニーズに即した情報を積極的に発信することを通じて、会員各社の戦略立案や事業展開の一助となれるよう努力と研鑽を続けてまいります。それとともに、国際協力事業においては、これまで積み上げてきた友好関係や人脈を駆使し、アジアをはじめとする諸国との関係の更なる深化・発展を目指してまいります。
当調査会にとっては、職員一人一人が意気軒高に活躍し成長することが、組織の価値を高めることに直結することから、人財を大切にする組織運営を行ってまいります。
2023年6月23日
海外電力調査会 会長
壹岐 素巳

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