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EU:初の水素製造補助入札、37~48ユーロ・セント/kgで7事業が落札

2024-05-01
  • 欧州
  • エネルギー一般・政策

エネルギー情報誌は2024年5月1日、EUが実施した初となる水素製造補助事業に関する入札結果を報じ、7事業が37~48ユーロ・セント/kgで落札したと伝えた。グリーン水素市場の拡大を目指すEUは2030年の域内製造を1,000万t、輸入量を1,000万tとする計画で、加盟国が補助事業を実施する中、欧州水素銀行(EHB)を設置して水素市場の入札を実施した。米国のインフレ抑制法は最大3ドル/kgの税額控除が補助されるため、EUは4.5ユーロ/kgを上限として、補助予算上限8億ユーロとした競争入札で事業を選定した。選定された事業はスペイン3件、ポルトガル2件、ノルウェーとフィンランドがそれぞれ1件である。7件の水電解装置の合計容量は約1,500万kW、10年間の製造量が158万tで、2023年11月までにEUと契約を交わして2029年までに事業を開始することになる。入札の実施に当たり、EUは水素の市場価格とグリーン水素の製造コストの差額を支援するとしていたが、落札結果は想定を超えて大幅に安価となり、市場関係者から驚きの声があがった。この原因として、132の応札に対して落札したのは7事業で厳しい競争であったことに加えて、EUは2030年までに使用する水素の42.5%をグリーン水素とする規制を定め事業者に使用するインセンティブを付与したことなどが挙げられている。さらに落札した事業者の一人は、実際に水電解装置を購入するのは2年後でさらにコストダウンが期待できると説明するが、資金調達が進むかは不透明とも話している。EHBは上限価格を3.5ユーロ/kg、予算上限を22億ユーロとする2回目の入札を2024年内に開始する計画である。