海外電気事業短信

ドイツ:調整電源の新設支援に向けた「発電所戦略」の概要が発表

2024-02-05
  • 欧州
  • 火力

連邦経済・気候保護省(BMWK)は2024年2月5日、電力システムの脱炭素化と安定供給を実現するための「発電所戦略」の概要を発表した。太陽光・風力などの出力変動に応じて出力を柔軟に調整できる電源を確保するため、「近日中に」入札を実施する。入札は最大4回実施され、調整電源(ガス火力)を合計1,000万kW調達する。これらの電源は脱炭素化の観点から、2035~2040年の間に水素専焼火力に転換することを義務付けられ、具体的な転換時期は2032年以降に順次決定される。また、これらの電源は電力システムの安定性に寄与する立地に建設される。連邦政府はさらに、2028年以降技術中立的な容量市場の運用を開始するとしており、遅くとも2024年夏までに同市場に関する政治的合意を目指す。入札や容量市場開設に係る費用は150億~200億ユーロと見積もられており、気候変革基金(KTF)より拠出される。このほか、連邦政府はエネルギー研究の枠組みで水素専焼火力50万kWの建設を支援するほか、核融合などの新たな技術開発も支援する方針である。炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)に関しては、「炭素管理戦略」の策定により新たな枠組みを整備するとしている。今般公開された「発電所戦略」の概要は、ショルツ首相(社会民主党)、ハーベック連邦経済・気候保護相(緑の党)、リントナー連邦財務相(自由民主党)が協議の末に合意した内容である。連邦政府はまた、水電解装置による水素製造・貯蔵の際に公租公課などが二重に課金される問題を解消し、水電解装置の建設・運用を促進する方針である。