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欧州:NGO、欧州へのブルー水素輸入コスト試算でEU水素目標の再考を主張
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- 2023-09-26
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- 欧州
- 環境・再エネ
非営利団体のClean Air Task Force(CATF)は2023年9月26日、ブルー水素生産予定国(ノルウェー、米国、アルゼンチン、アルジェリア、カタール、サウジアラビア)からロッテルダム港までのブルー水素輸送コストを試算した報告書を発表し、ノルウェーとアルジェリアからパイプラインで水素ガスを輸入するか、中東から船でアンモニアを輸入する方法が低コスト(2030年3.1ドル/kgH2、2040年2.5ドル/kgH2、2050年1.8ドル/kgH2)になると結論づけた。同書では、6カ国から水素ガス、液化水素、アンモニア、メチルシクロヘキサンで2030年25万t、2040年100万t、2050年1,000万tを輸入した場合のコストを比較していた。試算では、水素の船舶輸送はエネルギー効率、CO2排出、コストが非効率的で課題が多く、また輸入アンモニアから欧州で水素を取り出すと水素の製造コストが50%高くなるなどの課題が指摘された。以上からCATFは、欧州の水素利用を鉄鋼、石油精製、化学など他の脱炭素化手段が無い分野に絞る必要があり、これらの優先分野で必要な利用量と、欧州で可能な水素製造量と輸入量を明確化することが、効果的な水素利用政策に必要だと述べ、EUの水素需要目標(2030年までに2,000万t)は根拠に欠けており、現実的な予測に基づいた数値にするよう再検討するべきだと主張している。
