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英国:規制機関、National Grid事業の分離に向けプロセスや費用の検討開始
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- 2023-06-21
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- 欧州
- エネルギー一般・政策
英国の規制機関ガス・電力市場局(OFGEM)は2023年6月21日、脱炭素化に向けた独立系系統運用者FSO(Future System Operator)の設立に向け、National Gridグループ(以下、NGグループ)から事業を分離するための具体的なプロセスや費用の負担方法について検討を開始したと発表した。政府の政策のもと2024年頃までに設立される予定のFSOは、独立機関として電力およびガスネットワークの運用やインフラ整備の計画機能を一括して担い、国のネットゼロ目標やエネルギー安全保障確保に向けた取り組みに包括的かつ合理的に取り組むこととなっている。FSOの設立に向けては、NGグループから送電系統運用事業者NGESOとガス導管事業者(NGG:National Grid Gas)の開発・計画業務を分離して統合することとなっている。今回のOFGEMの発表によると、分離作業は二段階で進められ、第一段階の「Day 1」ではFSOを設立しNGグループから分離される事業を国が所有し、分離完了までに時間がかかる業務については一時的にNGグループとの合意のもと共同で行う。第二段階の「Day 2」では分離を完了し、このプロセスを終了する。NGグループ側は事業の分離にかかる費用について、統運用事業分(主にNGESOの人財やシステム、保有契約などの資産)を計1.28億~1.72億ポンド(2018年度価額)、ガス導管事業分を計300万ポンド、NGグループで発生する諸経費(主にITや総務関連の運営業務の切り離し)を計1.63億~2億ポンドと見積もり、段階別で推計した場合「Day 1」までに計1.8億~2.1億ポンド、その後「Day 2」までに3.0億~3.9億ポンドの費用(2022年度価額)がかかるとしている。OFGEMは分離にかかる費用の回収について、「Day 1」分はNGESOの収入規制(RIIO-2)に計上する方針としているが、今回、「Day 2」分については、RIIO-2の改訂により回収額を拡大するなど、複数案を提示している。OFGEMはこれらの方針や提案について8月2日まで意見公募を実施している。
