- 2023-06-20
-
- 欧州
- 環境・再エネ
欧州委員会(EC)は2023年6月20日、2023年2月に提案した再生可能(グリーン)水素に関する2つの委任法令(Delegated Act)が原案どおり確定したと発表した。EUはウクライナ侵攻を受けてロシアの化石燃料への依存を低減するための包括的なエネルギー政策(REPowerEU Plan)を2022年5月に発表し、再生可能エネルギーで水を電気分解して製造するグリーン水素の活用を拡大する方針(2030年の域内製造と輸入をそれぞれ1,000万t)を明らかにした。事業者からはグリーン水素事業の提案が相次いだが、「グリーン水素」の定義が明らかでないことが事業化の課題となり、基準作成を求める声があがっていた。このためECはグリーン水素を定める基準を提案し、加盟国と協議を進めていた。ECの定めるグリーン水素は、バリューチェーン全体のCO2排出量を化石燃料由来の水素と比較して少なくとも70%削減できることが必要となる。また、ECは水電解装置に電気を供給する再エネ設備の「追加性」や水電解装置の運転と再エネ設備による発電の「時間的相関」、両設備の「地理的相関」による条件を明らかにした。ECの試算によると、1,000万tのグリーン水素製造により5,000億kWhの電力供給が必要となるが、既存の再エネ設備を水素製造に使った場合、火力発電の発電電力量が増えてCO2排出量が増加する懸念があるため、新たな再エネ設備(追加性)による電力供給が条件となった。時間的相関については再エネ設備の発電電力量が水電解装置の消費する電力量を上回ることを、2029年末までは月ごとに、2030年以降は時間ごとに示す必要がある。グリーン水素基準は6月20日から20日後に正式に発効する。
