- 2023-03-16
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- 欧州
- 環境・再エネ
欧州委員会は2023年3月16日、EU規則案「ネット・ゼロ産業法(Net-Zero Industry Act)」を発表した。同法案は2023年2月1日に欧州委員会が発表した「欧州グリーンディール産業計画(Green Deal Industrial Plan)」の一環として、気候変動に関する目標実現に向けて、クリーンエネルギー技術や製品の開発促進や安定供給の確保を目的としている。同法案は8つの技術分野(太陽光発電・太陽熱、陸上風力・洋上再エネ、蓄電池・電力貯蔵、ヒートポンプ・地中熱、水電解装置・燃料電池、バイオガス・バイオメタン、炭素回収・貯留(CCS)、送配電網)を「戦略的ネット・ゼロ技術(Strategic Net Zero Technologies)」として指定し、同技術に関するプロジェクトの立ち上げに係る事務負担の軽減や許認可手続きの簡素化などにより開発を促進することで、2030年までに域内需要の40%以上を域内で製造する目標などが掲げられている。背景には、ソーラーパネルやEV製品などを中国に大きく依存している現状や2022年8月に米国で成立したインフラ抑制法によるEU域外への投資移転のおそれなどの課題があり、これを解決するための施策が盛り込まれた法案となっている。なお、原子力関連技術については「戦略的ネット・ゼロ技術」には含まれておらず、廃棄物を最小に抑えた先進技術や小型モジュール炉(SMR)が「ネット・ゼロ技術」と定義され、部分的な支援の対象と位置づけられている。同法案は今後、欧州議会とEU閣僚理事会による審議を経て法制化される予定であるが、原子力関連技術の位置づけや既存原子炉の技術が支援対象に含まれていないことに対してフランスが不満をもっていると報道されており、今後議論の的の一つになるとみられる。
