海外電気事業短信
英国:保守党党首選の結果、新首相はトラス氏に決定、光熱費抑制が急務
- 海外電力調査会 トップ
- 世界の電気事業の動き
- 海外電気事業短信
- 英国:保守党党首選の結果、新首相はトラス氏に決定、光熱費抑制が急務
- 2022-09-05
-
- 欧州
- 営業・料金
2022年9月5日、与党保守党の党首選の結果が公表され、トラス外相がスナク前財務相を破り新首相(ジョンソン首相の後任)として就任することとなった。今回の党首選では、2021年後半から続いているエネルギー価格の高騰とそれに伴う電気・ガス料金の上昇が主な争点となり、新首相就任後の料金高騰抑制策が注目されていた。英国では8月26日に規制機関(OFGEM)が一般家庭向け電気・ガス料金の上限を現行の1,971ポンド(約32万円)(標準的な家庭の年間料金)から10月以降3,549ポンド(約58万円)に引き上げることを発表しており、エネルギー貧困世帯の急増が危惧されている。2022年9月6日付の主要紙報道は、料金高騰抑制策を全家庭対象とするかエネルギー貧困世帯に対象を絞るのかが注目されるとの見方を示し、トラス次期首相は8日(現地時間)までに対策案をまとめる方針であると伝えている。料金高騰抑制策の対象家庭選定時の争点としては、全世帯を対象とした場合、エネルギー使用量の多い富裕層に有利となり政府支出も増えることが指摘されており、エネルギー貧困世帯に対象を絞る場合は10月の値上げ前までの速やかな支援の実施が難しいことが課題とされている。また、商業・産業用需要家に対する支援も課題として残っている。なお、別の主要紙の6日付速報によると、トラス次期首相は今後1年半で約1,300億ポンド(約21兆円)の政府支出を行い、一般家庭料金の上限を現行の1,971ポンドに据え置く方針であることを伝えている。この報道によると、トラス氏は党首選において、8月上旬時点ではエネルギー料金補助の追加について否定的な考えを示していたものの、OFGEMの上限引き上げ発表以降、料金補助の金額を現在予定の400ポンドから1,000ポンドに引き上げるプランに方針を転換した。しかし、最終的には料金補助では不十分との見方が強まり、料金を据え置く案が浮上したとしている。
