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EU:欧州委員会がロシア産化石燃料の使用停止のための計画を発表
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- 2022-05-18
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- 欧州
- 環境・再エネ
欧州委員会(EC)は2022年5月18日、ロシア産化石燃料の使用を停止するための詳細計画を公表した。ロシアによるウクライナ侵攻などによりエネルギー価格が高騰し、気候変動問題の観点からも化石燃料への依存を早期に低減する必要が認識され、3月に発表された政策文書「REPowerEU」の具体的な内容が検討されていた。今回公表された「REPowerEU Plan」はエネルギー効率化、石油・ガス供給先の多様化、再エネ導入量の加速が大きな柱となっている。エネルギー効率化は省エネ目標を強化する方針で、2020年に策定した長期のエネルギー使用量想定に基づき、2030年に9%としていたエネルギー使用量の削減幅を13%に拡大する。石油・ガス供給先の多様化ではエジプトやカタールなどからのガス調達を拡大するとともに、関係国と設立した協議会を通じてLNGや水素の共同調達を検討する。水素利用は2030年に域内で1,000万tを製造、さらに1,000万tを輸入するが、いずれも再エネ由来の「グリーン水素」とした。化石燃料の輸入を契約する際にも、ECは長期的にはグリーン水素へと転換することを供給先に求める考えである。再生可能エネルギー導入拡大は2030年の最終エネルギー消費に占める割合を40%から45%に高めることになる。特に太陽光発電は2030年に6億kWとする計画で、新設する公共建物や商業設備への太陽光パネルの設置義務化が提案された。さらに再エネ設備導入加速のため許認可手続きの簡素化を進め、再エネを優先的に進める区域の設置を加盟国に求めることになる。これらの施策を実施するため2027年までに2,100億ユーロ(約28兆円)の追加的な資金が必要と試算されるが、新型コロナ対策予算を使った融資(2,250億ユーロ、約30兆円)や排出量取引制度の排出枠売却益を利用することが示された。REPowerEU Planで提案された政策は5月末の加盟国首脳会議で議論される予定である。
