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フランス

2019年3月時点




 目 次


      1. エネルギー政策動向
原子力発電の大規模開発から、再エネ開発にも注力
「エネルギー移行法」: 再エネ、省エネの推進、原子力発電比率低減を掲げる
「エネルギー多年度計画」(PPE):原子力比率低減の目標達成年の後ろ倒しを提案
2. 地球温暖化防止政策動向
温室効果ガス削減目標:2020年までに20%、2050年までにカーボン・ニュートラル
3. 再生可能エネルギー導入政策・動向
再エネ導入目標:2030年までエネルギー全体で32%、発電で40%に引き上げ
開発支援策:固定価格買取制度、フィードインプレミアム制度、入札制度
4. 原子力開発動向
原子力の大規模開発から、原子力発電比率低減へ
新規建設は継続
原子力発電プラントの輸出にも積極的
5. 電源開発状況
再エネ開発を強化しながら、なお原子力が中心
脱火力:2022年までに石炭火力廃止
6. 電気事業体制
EDFの株式会社化、部分民営化
発電・小売部門:依然としてEDFが圧倒的なシェア
送電はITO、配電は法的分離
7. 電力自由化動向
自由化は段階的に実施
小売電気料金の水準は微増するも安定的
EDFによる原子力発電を部分開放、大口需要家への規制料金の廃止
8. 電力供給体制図


1. エネルギー政策動向

原子力発電の大規模開発から、再エネ開発にも注力
 フランスは、石油、天然ガスなどの化石燃料に恵まれず、主要な国内電源は石炭、水力のみであった。そのためエネルギー政策においては、他の欧米諸国と同様、第一次石油危機を契機として輸入石油への依存を軽減させるため、「国内資源の開発」、「省エネルギーの促進」、「供給源の多角化」の三つを柱とするエネルギー政策を実施してきた。特に原子力の開発に長年にわたり一貫した努力が傾注され、現在では、発電電力量に占める原子力の割合は7割を超えている。また1980年代以降、原子力発電の増加とともにエネルギー自給率は著しく改善され、現在では50%以上に達している。

 一方、1990年代以降、世界及び欧州(EU)のエネルギー政策においては、温室効果ガス(GHG)削減が重要なテーマとなってきた。2007年に開催された「環境グルネル会議」では、政府は「原子力なしの気候変動問題への挑戦は幻想」として原子力は不可欠と強調しつつも、EUのエネルギー政策を踏まえ、フランスも再エネ開発に注力する方針が示された。
「エネルギー移行法」: 再エネ、省エネの推進、原子力発電比率低減を掲げる
 福島第一原子力発電所事故後の2012年に誕生したオランド政権は、エネルギー政策として「エネルギー移行」を掲げ、前政権からの再エネ開発・省エネ推進に加えて、電源多様化の観点から原子力発電比率の低減、国内で最も古いフェッセンハイム原子力発電所の廃止などを打ち出した。2015年8月には、これらの施策を法制化した「エネルギー移行法」が制定され、主に以下の数値目標が定められた。
     ・ GHG排出量を2030年までに40%、2050年までに75%削減(対1990年)。
 ・ 最終エネルギー消費量を2030年までに20%、2050年までに50%削減(対2012年)。
 ・ 化石燃料の消費量を2030年までに30%削減(対2012年)。
 ・ 最終エネルギー消費量に占める再エネ比率を2020年に23%、2030年に32%(発電量ベースは40%)に引き上げ。
 ・ 原子力発電比率(発電量ベース)を2025年までに50%に低減。

  ただし、国内の原子力発電設備容量(kW)の上限については、現行の6,320万kWを維持することを認める条項も盛り込まれた。
「エネルギー多年度計画」(PPE):原子力比率低減の目標達成年の後ろ倒しを提案
 2017年5月、前政権で経済大臣を務めたマクロン氏が大統領に選出された。マクロン政権のエネルギー政策は、基本的に前オランド政権の「エネルギー移行法」を踏襲しているが、新たな施策も打ち出している。同年7月には「気候変動計画」を策定し、「2050年までにカーボン・ニュートラル」という目標を掲げた。具体的な施策としては、2022年までの石炭火力の全廃、2040年以降のガソリン車およびディーゼル車の販売禁止などが盛り込まれた。また、同年11月には、「エネルギー移行法」の「2025年に原子力比率50%」という目標について、「CO2排出量削減と、2025年原子力発電比率50%の両立は困難」として、目標達成年の後ろ倒しを決定した。

 2019年1月には、国内の電源比率や省エネ・再エネ開発等の中期目標(2019~2023年、2024~2028年)を規定した「エネルギー多年度計画」(PPE)の草案が発表された。「原子力発電比率50%」の達成年については、「2035年」への後ろ倒しが提案された。PPEの草案は、閣議や議会での審議を経て、2019年6月頃に法制化される見込みである。

2. 地球温暖化防止政策動向

温室効果ガス削減目標:2020年までに20%、2050年までにカーボン・ニュートラル
 フランスは、京都議定書に基づき、2008年~2012年における温室効果ガス(GHG)の排出量を1990年の水準に維持することが求められたが、5年間平均で6.5%減となり目標を達成した。

 今後のGHG削減の中期目標として、2015年の「エネルギー移行法」では、2030年に1990年比で40%削減、2050年までに75%削減との数字が掲げられている。この目標値は基本的にEU全体の目標値と平仄ひょうそくを合わせたものであるが、マクロン政権は2050年目標として、これまでよりさらに踏み込んだ「カーボン・ニュートラル」を掲げている。なお、2015年時点では、1990年比で16.4%減であった。

 またフランスは、欧州大で導入されているGHG排出量取引制度である「EU排出量取引制度(EU-ETS)」の下で、発電など特定の産業部門(EU-ETS部門)におけるGHG排出量の削減に取り組んでいる。発電部門では、フランスは原子力の比率が高く、水力も一定の比率を占める一方、火力発電の比率が低く、すでにCO2排出ゼロ電源の比率が総発電設備容量の80%以上を占める。そのため、今後も原子力発電が一定以上維持されていく限り、発電部門でのCO2排出は他国と比較して低い水準に留まると見られる。

3. 再生可能エネルギー導入政策・動向

再エネ導入目標:2030年までエネルギー全体で32%、発電で40%に引き上げ
 フランスは近年、発電では原子力に加えて再エネ開発にも取り組んでいる。2018年末現在、水力2,551万kWのほか、その他の再エネ電源として風力1,511万kW、太陽光853万kW、その他203万kWの合計2,567万kWがあり、水力と合わせると再エネ電源は5,118万kWと、総発電設備の約39%に達する。

 フランスは今後も再エネ開発を推進する方針であり、2015年の「エネルギー移行法」では、2030年に最終エネルギー消費量に占める割合を32%、発電量に占める割合を40%に引き上げる目標が掲げられた。この目標達成のため、2016年に発表された「エネルギー多年度計画」(PPE:2016~2018年、2019~2023年の中期目標を規定)では、「2023年までに陸上風力2,180万~2,600万kW、太陽光1,820万~2,020万kW」を導入する目標が示された。2017年12月には、大手電力事業者のフランス電力(EDF:Électricité de France、詳細は「6. 電気事業体制」を参照)が、2020~2035年の間に、フランス国内で3,000万kW(現行の4倍以上)の太陽光発電設備を建設する計画を発表した。

 また、2019年1月に発表された「エネルギー多年度計画」(PPE:2019~2023年、2024~2028年の中期目標を規定)の草案では、「2023年までに陸上風力2,460万kW、太陽光2,060万kW」、「2028年までに陸上風力3,410万~3,560万kW、太陽光3,560万~4,450万kW」を導入する目標が示されている。
開発支援策:固定価格買取制度、フィードインプレミアム制度、入札制度
 フランスでは、再エネ電源の開発支援策として、固定価格買取制度(FIT)、フィードインプレミアム制度(FIP)、および電源入札制度が採用されている。

 FITは、太陽光、風力、小水力、バイオマス等の再エネ電源に幅広く適用されていたが、2015年の「エネルギー移行法」で、FITに代わりFIPの導入が定められた。FIPは、再エネ事業者が発電電力を市場に売却し、売却価格に加え、再エネの種別ごとに省令で定められた基準価格と市場平均価格との差額を受け取ることができる制度で、原則500kW以上の再エネ設備に対して適用されている。入札については、PPEに基づいて策定される再エネ電源別発電容量の目標値に、実際の発電容量が達していない場合に実施される。入札で受入枠を落札した発電事業者は、EDFおよび地方配電事業者に発電電力を売電する。政府は、2005年以降入札制度を実施しており、2017~2020年分については、陸上風力で300万kW、太陽光で陸上設置型300万kW、屋根設置型135万kWの入札が実施されている。洋上風力については、2011年と2013年に6つのプロジェクト(合計約300万kW)が落札されたが、複雑な許認可手続きや景観・騒音に係る訴訟などのため、未だに着工には至っていない。

4. 原子力開発動向

原子力の大規模開発から、原子力発電比率低減へ
 日本同様、自国に化石燃料などのエネルギー資源が乏しいフランスは、1970年代の石油危機を契機として、確実なエネルギー源を確保する英国やドイツに劣らぬ主導権を欧州で発揮するために、原子力発電の大規模開発にまい進した。強力な中央集権体制による開発計画の実施や、民生の原子力利用に対する国民の支持など、フランス固有の事情を背景として大規模開発が実施され、その結果、フランスでは58基6,313万kWの原子力発電設備が運転され、総発電電力量の約72%を占めるに至っている(2018年末現在)。

 しかし、2012年に誕生した前オランド政権下では、EU大での再エネ導入の要請に加え、電源の多様化を進めるという観点から原子力比率を低減する政策が取られ、現在のマクロン政権でも踏襲されている。ただし前述のように、「原子力発電比率50%」の達成年は「2035年」へ後ろ倒しになる可能性がある
新規建設は継続
 一方、原子力の新規開発は継続されている。国内での新規建設は、電力需要の鈍化もあり1991年以降途絶えることとなったが、2005年には将来電源の中心として原子力開発を継続することが決定し、次世代炉として欧州加圧水型炉(EPR)1基が建設されることになった。サイトは既設炉のあるフラマンビルで、現在その3号機として建設が進められているが、工事の大幅な遅延のため、現時点での運開予定は2020年となっている。
 EDFは現在、フラマンビルに続く国内でのEPR建設の検討に加え、新型EPRの設計にも着手している。2019年1月に発表された「エネルギー多年度計画」(PPE)では、政府はEDFとともにEPR新設の検討を行い、2021年中頃に新設の要否を決定することになっている。なお、国内での新規建設は、「エネルギー移行法」で決められた設備容量枠6,320万kWを超えなければ可能であり、廃止する炉があれば、その容量分の建設が可能となる。
原子力発電プラントの輸出にも積極的
 EDFは現在、フランス国外では、中国および英国でEPR建設プロジェクトを進行中である。2018年12月には、中国の台山で建設中のEPR2基のうち1基が、世界で初めて運転を開始した。もう1基は2019年中に運転開始予定である。また、英国においては中国広核集団有限公司(CGN)と共同で、ヒンクリーポイントで2基、サイズウエルで2基のEPR建設プロジェクトが進行中である。

 また、フィンランドのオルキルオトでもEPR1基が建設中であるが、建設の長期化およびコスト増に伴い、受注者であるプラントメーカーのアレバが経営危機に陥る事態となった。2018年には、アレバの原子炉部門子会社アレバNPはEDFの子会社となり、オルキルオトのEPRは2020年に運転開始予定である。

 さらに2018年3月には、仏印政府間で、インドにおけるEPR6基の建設プロジェクトの枠組み協定が締結され、順調に行けば2019年中に建設が開始される予定である。なお、原子炉以外の輸出については、2018年1月、ニューアレバ社(現オラノ社)と中国核工業集団有限公司(CNNC)が商業規模の再処理施設を中国内に建設することで合意した。

5. 電源開発状況

再エネ開発を強化しながら、なお原子力が中心
 前述のように、フランスは石油危機以降、原子力中心の電源開発を行ってきているが、近年は再エネ電源の開発も活発化している。

 2018年末の総発電設備容量は1億3,289万kWであり、その内訳は、水力2,551万kW、火力1,859万kW(石炭300万kW、石油344万kW、ガス1,215万kW)、原子力6,313万kW、風力1,511万kW、太陽光853万kW、その他再エネ203万kWとなっている。

 前述のように、近年フランスでは再エネ電源の開発も活発化しているが、主要電源はなお原子力である。2018年末現在、原子力発電設備は58基あり、その内訳はPWR90万kW級34 基、PWR130万kW級20基、N4シリーズのPWR150万kW級4基となっている。なおフランスでは、電力需要の落ち込む夏季に加え、近年は風力、太陽光などの再エネ発電増大による出力抑制の必要から、原子力発電の出力調整運転が行なわれている。出力調整運転は当初、90万kW級で行われてきたが、1988年からは130万kW級、1995年からは90万kW級MOX燃料炉でも行われている。MOX燃料については、1980年代から導入が始まっている。
脱火力:2022年までに石炭火力廃止
 石油火力については、EDFが運転する国内最後の発電所が、2018年3月に完全に廃止された。石炭火力についても、2017年の「気候変動計画」において、国内4カ所の石炭火力の2022年までの全廃が決定している。しかし、4カ所のうちの一部については、石炭をバイオマスと混焼し、よりCO2排出量の少ない形で運転を継続する可能性も検討されている。なお、2019年1月に発表された「エネルギー多年度計画」(PPE)の草案では、「化石燃料を使用した発電所の新設禁止」が提案されている。

6. 電気事業体制

EDFの株式会社化、部分民営化
 従来、フランスの電気事業は、1946年「電力・ガス事業国有化法」により設立された国有企業EDF(旧フランス電力公社、現フランス電力)が、発送配一貫体制の下、全国的に電力供給を行ってきた。しかし、1990年代に入りEU大で電力市場自由化が始まり、フランスでも電力自由化が行われることとなった。この自由化に伴い、EDFは欧州各国への進出を図ったが、国有企業であることが障害となるケースも出てきた。そのため、2004年に「EDF・GDF株式会社化法」によりEDFは株式会社化され、一部の株式(約15%)が一般公開された。
発電・小売部門:依然としてEDFが圧倒的なシェア
 2017年末現在、発電事業者にはEDFのほか、ENGIE(再エネ・ガス火力中心)、CNR(水力中心)などが存在するが、依然として原子力を中心とするEDFが国内発電電力量の約80%を占めている。

 EDFは2018年末時点で国内発電設備8,937万kW(水力2,002万kW、火力622万kW、原子力6,313万kW)を所有し、2018年のEDFの国内発電電力量は4,506億kWh(水力465億kWh、火力109億kWh、原子力3,932億kWh)となっている。

 また、小売供給事業については、2000年の「電力自由化法」により小売電力市場が段階的に自由化されたことから、EDFなど既存事業者を離脱して新規参入者から電力供給を受ける需要家が増加した。2018年末時点の新規参入者による販売シェアは、産業用・業務用需要家向けで43%、家庭用需要家向けで19.5%となっている。なお、フランスで小売供給事業を行う事業者は、EDFや地方配電事業者(小売供給部門)等の既存事業者が約160社と、2000年の自由化以降の新規参入者が約40社存在する。新規参入者については、EDF、ENGIEに続く国内第3位の電力小売業者であったディレクト・エネルジー社が2018年、石油大手Total社に買収された(2018年4月合意)。
送電はITO、配電は法的分離
 また、2004年の「EDF・GDF株式会社化法」で、送電系統運用部門およびガス輸送導管運用部門の法的分離(子会社化)が規定されたことを受けて、EDFは2005年、送電部門を分離し100%子会社(RTE)とした。RTEは2012年、「第3次EU電力自由化指令」に基づき、エネルギー規制委員会(CRE)から独立送電運用者(ITO)として認証された。ITOとは、親会社からの独立性を高めるための様々な要件を課せられた、法的分離の強化形態であり、EDFは引き続きRTEとの資本関係を維持している。ただし、2017年にはRTEの株式の49.9%が売却された。

 配電部門については、2006年「エネルギー部門法」により法的分離が規定されたことを受けて、EDFは2008年、配電部門を分離し100%子会社(eRDF)とした。同社は2016年5月に、社名を「Enedis」と改めた。なお、フランスにはEnedis以外に配電事業を行っている地方配電事業者(配電部門)が160社程度存在しており、配電電力量のシェアはEDFが約95%、地方配電事業者が約5%となっている。

7. 電力自由化動向

自由化は段階的に実施
 フランスでは「電力自由化法」が2000年2月に制定されたものの、「EU電力自由化指令」では1999年2月から小売電力市場の自由化が規定されていたため、実質的にはフランスでも1999年2月から自由化が開始された。

 自由化は段階的に実施され、市場開放率は1999年2月以降約20%(年間消費電力量1億kWh以上の需要家約200軒が自由化対象)、2000年5月以降約30%(1,600万kWh以上の需要家約1,600軒が自由化対象)、2003年2月以降約37%(700万kWh以上の需要家約3,300軒が自由化対象)と拡大された。2004年7月以降は、家庭用需要家を除く産業用・業務用需要家が自由化対象となり、2007年7月以降は全面自由化が実施された。
小売電気料金の水準は微増するも安定的
 フランスの小売電気料金は、産業用、家庭用とも1990年代中頃から低下した後、2000年頃から横ばい状態となっている。ただし、2002年以降、「電力公共サービス拠出制度(CSPE)」の課徴金に含まれる再エネ補助費用などが増加傾向にあることから、CSPEなど公租公課を含んだ小売電気料金は若干上昇する傾向にある。欧州委員会統計局(Eurostat)のデータによると、2018年上半期におけるフランスの家庭用電気料金は税込みで17.54ユーロ・セント(22.0円)/kWh、また産業用電気料金は税込みで11.74ユーロ・セント(14.7円)/kWhであった。
EDFによる原子力発電を部分開放、大口需要家への規制料金の廃止
 フランスでは全面自由化が実施されているものの、供給先変更など自由化の権利を行使していない需要家については、政府が認可する規制料金が適用されている。一方で、自由化の権利を行使した需要家(新規参入者に変更した需要家、既存事業者の自由化料金メニューに移行した需要家)には、卸電力市場価格の変動等が反映された市場料金が適用されている。しかし、市場料金よりも規制料金が低い水準で推移していたことから、EDFから新規参入者に乗り換える需要家の数は限定的であったため、欧州委員会は、規制料金によって小売市場での競争が歪められているとして、フランス政府に規制料金の廃止を求めてきた。

 これを受けてフランス政府は、将来的に規制料金を撤廃することを前提とした上で、過渡的手段として、2010年の「電力市場新組織法」で「原子力発電電力への規制アクセス制度(ARENH)」を規定した。ARENHは、EDFの割安な原子力発電電力量を、2025年まで小売供給事業者に卸販売する制度で、新規事業者に競争力を持たせることを目的としている。売電量の上限は年間1,000億kWh(EDF発電電力量の25%に相当)で、売電価格は4.2ユーロ・セント(5.3円)/kWhが適用されている。2015年以降は、卸電力市場価格がARENH価格を下回ったため、2016年のARENHへの申込みはゼロとなったが、その後の卸市場価格の上昇に伴い、再びARENH需要が増加している。2019年については、申し込みが年間上限の1,000億kWhを上回る1,329億3,000万kWhとなったため、エネルギー規制委員会(CRE)はARENHの再分配を行い、各事業者には申請量を下回るARENHが分配されることとなる見込みである。

 また、2016年には、36kVA超過の大口需要家への規制料金が廃止された。家庭用および契約容量36kVA以下の業務用については規制料金が残されているが、欧州委員会や新規参入者から廃止を求める動きが続いている。

8. 電力供給体制図




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